知られざるドイツのローマ、ドイツ最古の世界遺産の街、トリーアが面白い!
|2000年の歴史をもつドイツ最古の街、トリーア。
その起源は紀元前16年に築かれたローマ植民都市、アウグスタ・トレヴェロールムにさかのぼり、かつてローマ帝国はこの地をヨーロッパ進出の足がかりとしました。
そんなトリーアにはドイツにおけるもっとも重要なローマ遺跡をはじめ、世界遺産に登録された歴史的建造物が点在しています。青空博物館さながらのトリーアの街を歩いてみましょう。
トリーアのシンボルが、巨大な黒い石の門「ポルタ・二グラ」。ここが旧市街の入口です。
ポルタ・二グラは、2世紀後半に造られた城門で、「黒い門」を意味する名の通り、黒い砂岩のブロックでできています。ただしこれは歳月の経過とともに砂岩が黒く変色した後、中世の時代に付けられた呼び名で、もともとの名前はわかっていません。
威風堂々とした姿を目の前にすると、その大きさと存在感に圧倒されます。かつてはローマ人もこの門をくぐったのだと思うと、感慨深いものがありますね。
こちらは反対の旧市街側から見た姿。ポルタ・二グラにはのぼることができ、門の上からは市街の景色が楽しめます。
ポルタ・二グラから旧市街に入り、真っすぐ進んでいくと、旧市街の中心、中央広場があります。広場レストランやカフェが取り囲み、日中は果物などを売る屋台も立ち並び、にぎやかな雰囲気。
中世の面影を色濃く残すこの広場では、多種多様なスタイルの建築物がその美しさを競っていて、見ていて飽きることがありません。
ここからほど近いところに、トリーア観光のもう一つのハイライト、大聖堂があります。4世紀に建設がはじまったトリーア大聖堂は、ドイツ最古の大聖堂。さらには、ケルンとマインツの大聖堂とともに、ドイツ三大聖堂のひとつとしても知られています。
初期ロマネスク様式の重厚な外観の迫力には息を呑むほど。長い年月をかけて増改築が繰り返された壮大なたたずまいは、まさに圧巻です。
内部は一見シンプルに見えますが、内装を一つひとつ見ていくと、装飾の細やかさと美しさに感激せずにはいられません。
大聖堂の南には宮殿公園があります。ピンク色の優美な宮殿を臨む、美しく整備された庭園は、絶好の散策スポット。観光客だけでなく、地元の人々も思い思いにくつろいでいます。
ローマ帝国の歴史や文化に興味があるなら、公園に隣接するライン州立博物館にも足を運びたいところ。
古代ローマの美術品を中心に展示しており、「2000年も前にこれほど進んだ文明が存在したとは!」と驚かされる内容となっています。
トリーアの街にはポルタ・二グラ以外にも、皇帝の大浴場跡・カイザーテルメンや、古代円形劇場など、ローマ時代の遺跡が点在しています。ゆっくりと時間をとって、かつての文明の足跡をたどってみましょう。
世界的に名高いモーゼルワインの産地としても知られるトリーアはドイツワイン発祥の地でもあります。甘くフルーティーなモーゼルの白ワインは、ワインが苦手な方にこそ一度試してみてほしいワインです。
ドイツにあってローマ文明が体感できるユニークな街、トリーア。
他のどの街にも似ていない独自の魅力をもつこの街でのひとときは、きっと忘れられない体験として心に刻まれるはずです。
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