【日本居酒屋紀行】名古屋にいったら絶対に味わいたい、どて焼きの名店「島正(しましょう)」
|日本のほぼ中央に位置する5大都市の一つである「名古屋」といえば、独特すぎる食文化である「名古屋メシ」がとても有名で、最近では東海地方以外でも楽しまれているグルメタウン。
味噌カツやきしめん、スパイシーな手羽先だけでなく、台湾ラーメンや台湾まぜそばなど、中毒になってしまうほどの劇ウマグルメばかり。
今回はそんなグルメタウンの名古屋で長い間、地元の方々から愛されている、どて焼きの名店をご紹介したい、お店の名前は「島正(しましょう)」。
・まさに名古屋の生き字引の1つとも言えるお店、それが「島正(しましょう)」
こちらのお店、創業は1949年(昭和24年)。
1949年と言えば、第二次世界大戦が終結した1945年からたった4年しか経っていない、戦後の混乱期。
当時は日本の大都市とおなじく、名古屋も戦火に焼かれ、戦後の復興は現在の栄町の闇市が中心となって牽引していった。
そんな栄町の広小路通には、多くの屋台が建ち並び、多くの人々に様々な料理を提供していたのだという。
戦後から15年ほど経った1960年(昭和35年)頃は、その屋台は栄から柳橋まで400軒近くは並んでいたという程だ。
その多くの屋台の1つが、現在の「島正(しましょう)」、かつての屋台「きむらや」なのだ。
・名古屋のサラリーマンが愛してきた歴史と伝統の味わい、それが「島正(しましょう)」
こちらのお店、広小路通の屋台にあった頃から、多くの名古屋で働く人々に、美味しい味わいを提供しつづけてきた、いわば、名古屋の現在の繁栄を支えた、まさにソウルフードといってもいい料理を提供してくれるお店だ。
こちらのお店を訪れると、気のいい常連さん達が、さまざまな名古屋の歴史を教えてくれる。
そんなご常連さん達は、40年以上通う方も多々おり、夜な夜な名古屋のサラリーマン達が愛してきた、歴史と伝統の味わいを、その美味しい料理とともに味わっているのだ。
・今なお進化を遂げる伝統の味、それが「どて焼き」
そんな歴史あるお店の名物といえば、「どて焼き」。
こちらには「どて焼き」のセットがメニューとして存在しているため、まずはセットをオーダーしておきたい。
相棒となる飲み物は、好きなものをオーダーし、素早く提供される「どて焼き」を味わう前に、まずは喉を湿らせておくのもいいだろう。
セットでまず供されるのが、牛すじと、豆腐、コンニャク、里芋の4種。
牛すじはしっかりと煮込まれているため、どこまでも柔らかく、そして牛すじの美味しい食感を楽しませてくれる。
さらに豆腐はしっかりと味がしみ込んでおり、ふくよかな味わいを楽しませてくれるのだ。
もちろん里芋はネットリ・ホクホク、そしてコンニャクはその歯ごたえを楽しみながら、伝統のどて焼きの味わいを堪能させてくれる。
そしてセットのとどめに供されるのが、大根とタマゴだ。
特に大根は仕込みに1週間もかかるという、手間ひまの掛かった逸品であるため、1人1個限定のメニュー。
手間ひまかけて丁寧に仕込まれた大根には、箸が何の抵抗もなくスッと入り、まるで柔らかい水羊羹のような、どこか危なく儚げな感触なのだ。
しかし口に入れてみると、力強い大根の味わいと美味しい伝統のどて焼きの味噌のコクを感じる事が出来る。
まさにこれこそ、名古屋の居酒屋の芯の強い味わいの1つと断言しても過言ではないだろう。
そしてそんなお店でさらに味わっておきたいのが、どて煮の味噌ダレを浸した串カツだ。
サクサク感の残る串カツにたっぷりとしみ込んだ味噌ダレ、まさに名古屋の味わいを楽しめる逸品なのだ。
戦後の屋台からスタートしたこちらのお店。
元のお店「きむらや」が「島正(しましょう)」という名前に変わったのは1960年(昭和35年)のことだと言う。
聞けば、当時の新国劇の看板役者・島田正吾さんがこの店を気に入り、新国劇のマークにサインをして暖簾を贈呈されたことから、お店の名前は島田正吾さんの名前をとって、今の「島正」になったのだという。
当時の島田正吾さんの人気もさることながら、そんな当時の看板役者をまで虜にするほどの味を提供していたという「きむらや」も恐れ入る。
長い間、美味しいどて焼きで多くの名古屋の人々を魅了してきたお店「島正(しましょう)」。名古屋に行くのであれば、是非訪れておきたい、そんなお店の1つに違いないだろう。
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店名 島正(しましょう)
住所 愛知県名古屋市中区栄2-1-19
時間 17:00~22:00
休日 土曜・日曜・祝日
お店のHP http://shimasho.biz/