「哀愁のポルトガル」を感じる、ノスタルジックな世界遺産の街ポルトを歩こう

ポルトガル第2の都市で、ポルトガル発祥の地でもあるポルト。1415年以降、エンリケ航海王子の指揮のもとで、大航海時代の幕開けを担ったのもこの街でした。

「哀愁のポルトガル」を絵に描いたような歴史的な街並みは、「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されています。ノスタルジックな世界遺産の街ポルトを歩いてみましょう。

ポルトの街歩きの起点となるのは、1900年に建設された、サン・ベント駅。

およそ2万枚ものアズレージョ(装飾タイル)で彩られたサン・ベント駅の構内は、鉄道を利用しない人も必見。青のタイルで描かれた歴史絵巻を前に、ポルトガルの歴史と芸術を肌で感じることができます。

サン・ベント駅からほど近いところにあるのが、クレリゴス教会。

1749年に完成したバロック様式の教会で、76メートルの付属の塔はポルト随一の高さを誇ります。建物自体が坂の上にあるので、思った以上の高さ。塔の上からオレンジ屋根の建物が段々畑のように重なるポルトの街並みを堪能しましょう。

再びサン・ベント駅に戻り、ドウロ川沿いに向かう途中にあるのが、カテドラル。街を見渡す丘の上に建つ大聖堂です。もともとは要塞として建てられたというだけあって、堅牢な外観が印象的。

無骨な印象の外観とは対照的に、精緻な装飾で彩られた豪華な内装は圧巻です。

カテドラルの前のテラスからは、建物が身を寄せ合うように密集して建つポルトの旧市街の風景が。初めて見る風景のはずなのに、無性に懐かしい気持ちにさせられます。

カテドラル周辺の住宅街では、道端で魚をさばいて売る女性の姿や、共同の洗い場で楽しそうに会話しながら洗濯をする年配の女性たちの姿など、ポルトの人々の日常生活が垣間見えます。

先進国では失われてしまった古き良き光景を目にして、心がすっとほどけて温かくなるのが感じられるはず。多くの観光客が訪れる世界遺産の街であっても、ここに暮らす人々の毎日は今も昔も変わらずに続いているのです。

「カイス・ダ・リベイラ」と呼ばれるドウロ川沿いの地区は、ポルトの旧市街のアイコン的存在。アズレージョが印象的な古い建物を利用したレストランやショップが立ち並び、歩いているだけでもワクワクする楽しいエリアです。

ドウロ川に架かるドン・ルイス一世橋を渡った対岸には、「ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア」と呼ばれるワインセラーが並ぶ地区が広がります。

ドウロ川には、かつて名産のポートワインを運んだ帆船が浮かび、当時の風情を今に伝えています。

ポルトの街を歩けば、世界の他のどの街とも違う、独特の情緒あふれる風景の数々に出会えます。それはどこか、「心のふるさと」に帰ってきたかのような、懐かしく心地よい感覚。

行けばあなたもきっと、この街の不思議な魅力のとりこになることでしょう。

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