【誰にも教えたくない日本の隠れ家】日本橋の路地裏に佇む老舗町中華「大勝軒」でニッポンの町中華の源流に触れる
|江戸時代、五街道の起点となり、水上交通や町人街の発展により賑わいを見せた日本橋。
そんな日本橋は、江戸時代から現在まで続く老舗が軒を連ね、今も昔も様々な選りすぐりの物産が集まる場所として有名な場所。
かつては海に面した土地には運河や河岸が多数設けられ、問屋の倉庫が白壁を見せて並ぶ景色は、江戸時代に多く描かれた錦絵にも見る事ができるほどだ。
現代に目を移すと、日本橋三越や高島屋などの老舗百貨店を中心にオフィスビルが建ち並び、平日も休日も多くの人々が息づく町となっていることがわかる。
そんな日本橋には、舌の肥えた食通をもうならせる絶品の味わいを楽しめるお店が数多く存在する。
例えば、あのタモリさんも唸らせた立ち食い蕎麦の名店「そばよし」や、東京一おいしいポークソテーとの呼び声高い人形町「そよいち」のポークソテー、親子丼発祥のお店、「玉ひで」の元祖親子丼、辛口で有名な有吉さんが絶賛する割烹料理店「辰巳」、さらには、たい焼き御三家の1つ「柳屋」のたい焼きなどなど、他にも美味しいラーメンや熟成肉、焼き鳥に至るまで、こだわり抜いた名店が軒を連ねている。
そんな美味しい日本橋に、日本の町中華の源流の1つとも呼ばれている1軒のお店がある事をご存知だろうか?
それが今回ご紹介するお店「大勝軒」だ。
・昭和8年創業の老舗中華料理店、それが「大勝軒」
「大勝軒」と聞くと、つけ麺のお店を想像してしまうかもしれないが、そのつけ麺のお店とは全く別のお店で、今回ご紹介する「大勝軒」は、つけ麺のお店よりも歴史がある。
「大勝軒」の創業は、昭和8年(1933年)。
1933年といえば、日本が国際連盟を脱退し、ドイツではナチスが第一党となり、アメリカではフランクリン・ルーズベルトが第32代大統領に選ばれ、ニューディール政策がスタートした年。
そんな時代に生まれたお店の外観は今も昔も変わらず、その美しい緑青の色で多くのお客を迎えてくれる。
・正統派の町中華の源流、それが「大勝軒」
1933年以来、中華料理一筋でのれんを守り続けている大勝軒。
初代が人形町の元祖・大勝軒で修行を積んだ後、この地に開業したのだ。そんな元祖・大勝軒は、現在では喫茶店として業態を変えていることからも、長きに渡ってのれんを守り続ける事がどれほど難しい事か、分かるに違いない。
こちらのお店はラーメンやワンタン、シュウマイや餃子など、ほとんどのメニューが創業当時から変わらず、手作りで提供される。
・美しい正統派の醤油ラーメン、それが「大勝軒」
ランチメニューでオススメしたいのが、ラーメンと小さいチャーハンのセットメニュー。
着丼すると香ばしい醤油スープの香りが鼻先をくすぐるのだが、こちらのラーメン、チャーシューに加えてハムが添えられている事が特徴となっている。
スッキリとしている醤油スープに、自家製のシコシコした麺、そして自家製のチャーシューに塩気の効いたハム。
そのどれもが絶妙のバランスで、「美しい」とさえ感じるほどだ。
もちろんチャーハンについても美味しい事はいうまでもない。
ジューシーなチャーシューにしっとりとしたチャーハンには、トッピングのグリーンピースと錦糸卵が、不思議とマッチする。
・お腹に余裕があるなら餃子も試しておきたい
美味しいラーメンとチャーハンを味わった後でもお腹に余裕がある方にオススメしたいのが、こちらの餃子だ。
手作りされた餃子は薄い皮の中にはちきれんばかりのたっぷりとしたジューシーな餡(あん)が詰まっている。
ミンチというよりもぶつ切りにされた豚肉の食感が嬉しいジューシーな餡が包まれたアツアツの餃子に、特製の餃子のタレをひとまわしすると、アツアツの餃子からは、ジューという低いうなり声のような音が聞こえてくる。
そんなアツアツのできたて餃子をおもむろに口へと運べば、このお店が長きに渡って多くの人々を虜にしてきた事が分かるに違いない。
正統派の町中華を味わえる、日本橋「大勝軒」。
長きに渡って愛されつづけているお店だからこそ味わえる、そんな味に触れられる、まさに生きている事に、そしてその味に出会えた事に感謝する、日本橋「大勝軒」はそんな時間を味わえるお店に違いないのだ。
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お店 大勝軒
住所 東京都中央区日本橋本町1-3-3
営業時間 11:00~14:00 / 17:00~21:00
定休日 日曜日
情報サイト http://www.nihonbashi-tokyo.jp/enjoy/gourmet/201510/