聖ペトロ教会から望む「バルト海の真珠」ラトビア・リガの絶景は、本家パリに負けない美しさ

「バルト三国」と呼ばれる3つの国のひとつ、ラトビア。

中世から19世紀までの壮麗な建造物を数多く残す首都・リガは「バルト海の真珠」とたたえられる美しい港町。その旧市街は「リガ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

そんな世界遺産の街・リガを一望できる珠玉の絶景スポットが、聖ペテロ教会。まっすぐに天に向かって伸びる一本の尖塔が、なんともすがすがしい印象を与えます。

旧市街の中心部に建つ聖ペテロ教会は、13世紀に木造教会として建設され、その後の改築により石造りの教会となり、18世紀にほぼ現在のような姿となりました。

大部分は第2次世界大戦後に再建されており、高さ123メートルの塔も戦後1973年に修復されたもの。

もともと1690年に建設されたこの塔は、17世紀当時はヨーロッパで最も高い木造の塔でしたが、火災などで何度も焼け落ち、その都度、修復が行われてきました。17世紀には倒れた塔が近所の家を押しつぶし、8人の犠牲を出したこともあったのだとか。

そんな紆余曲折を経てきた聖ペテロ教会の塔は、今ではリガで最高の絶景を楽しめる場所として、世界中からの旅行者を迎え入れています。

展望台が設けられているのは、高さ72メートル地点。そこまではエレベーターで昇ることができるので、体力に自信のない方や、小さな子ども連れの方にも安心です。

展望台にたどり着くと、リガの市街を見渡す360度の大パノラマが広がっています。

人口およそ70万人。バルト三国では一番の大都市であるリガ。バルト海のリガ湾を臨む港町であることも手伝って、高台からの眺めは最高に開放的です。

中世の建造物が多数残る旧市街には、色とりどりの可愛らしい建物が並び、メルヘンチックな雰囲気が漂います。リガの旧市街の建物は、壁面だけでなく、屋根もさまざまに彩られているのが特徴。

カラフルな建物のあいだから、天を射抜くような尖塔が顔を出し、優美かつ凛々しいリガ独特の街並みを造り上げています。

一方、新市街に視線を向けると、1935年にラトビアの独立を記念して建てられた自由記念碑や黄金のドームをもつロシア正教会など、多彩な建築物が目に入ります。

さらにダウガバ川のほうに目をやれば、かつてのソ連支配の象徴であるスターリン・クラシック様式の高層ビル、科学アカデミーや、ドイツのツェッペリン型飛行船の格納庫が移築されて使われている中央市場といった個性豊かな風景が、私たちの目を楽しませてくれます。

アクメンス橋を渡った対岸にある、歪んだ三角形のような不思議な形の建物は、国立図書館。

世界遺産に登録されている歴史都市でありながら、リガは、ただ古い街並みを保存するだけでなく、新たな時代にふさわしいモダン建築も取り入れているのです。

かつて「バルトのパリ」と呼ばれたリガでしたが、ソ連時代にはその美しさが色あせ、一時は「零落した貴婦人」とすら呼ばれたこともありました。

しかし、修復され美しい街並みを取り戻したばかりか、さらなる躍動を続けるリガの街は、本家のパリにも負けない美しさで、訪れる人々を魅了し続けています。

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