ルーマニアで発見!バウムクーヘンの原型ともいわれるお菓子「クルトシュ・カラーチ」

デパートやスーパー、コンビニなど日本のいたるところで見かけるバウムクーヘン。

ルーマニアを旅していたら、バウムクーヘンにそっくりのお菓子を見つけました。それが、「クルトシュ・カラーチ」。日本では単に「クルトシュ」と呼ばれることもあります。

クルトシュ・カラーチはもともとハンガリー人の伝統菓子で、細長く伸ばしたパンに似た生地を円筒形の焼き型に巻き付け、くるくる回しながら焼き上げたものです。

製法も見た目も、バウムクーヘンによく似ているこのお菓子は、一説にはバウムクーヘンの原型ともいわれていて、チェコやスロバキアでも同様のお菓子が広まっています。現在の呼称は20世紀に定着したもので、19世紀のハンガリーでは「棍棒菓子パン」を意味する「ドロングファーンク」などと呼ばれていたとか。

ルーマニアでは、1920年まではハンガリー領であったトランシルヴァニア地方から広がったとみられていて、首都ブカレストなどでも買うことができます。

ルーマニアを旅していると、町の中心にある広場などでクルトシュ・カラーチを売る屋台を何度も見かけることでしょう。

基本的には屋台で売られていることが多いクルトシュ・カラーチですが、「ドラキュラ城」として有名なブラン城の周辺や、風光明媚な避暑地として名高いシナイアなどでは、常設の店舗も見かけます。

今回お邪魔したのはブラン城からほど近いところにあるクレープ店「Clatita Regala」と同じ建物にある小さな専門店。

店頭には焼きあがったばかりのクルトシュ・カラーチが並んでいます。

店内では職人たちが手慣れた様子で、次々とクルトシュ・カラーチを焼き上げる光景が。

ココナッツやナッツ、ココアなどのトッピングをまぶす手さばきは、実に鮮やかです。

筆者はココナッツがトッピングされたクルトシュ・カラーチをひとついただくことにしました。

長さはなんと30センチ以上で、いくら中は空洞になっているとはいえ、一人で食べるにはかなりのボリューム。3~4人で少しずつつまむのがぴったりのお菓子です。

細長い生地で円を描きながら焼き型に巻き付けているので、ところどころに切れ目があります。そこをちぎりながらちょっとずつ食べるのがなんだか楽しい!

焼きたてのクルトシュ・カラーチは、ふわふわであると同時に、サクッとした食感も楽しめます。バウムクーヘンというよりは、デニッシュパンに近いでしょうか。子ども時代を思い出すような、懐かしくて優しい味に心癒されます。

時間が経ってしまうと、湿って固くなってしまうので、買ってからできるだけ早く食べるのがポイント。

お祭りに心弾ませた子どものころの気持ちがよみがえってくるような懐かしくて楽しいお菓子、クルトシュ・カラーチ。ルーマニアを訪れたらぜひひとつお試しあれ。

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