【日本麺紀行】老舗の街の中華屋さんで味わう絶品の半チャンラーメン / 東京都千代田区神田神保町の「成光(なりみつ)」
|様々な書店が集まり、本の街として知られる東京・神保町。
本だけでなくもう1つ有名なものがこの街にはあることをご存知だろうか?
それがお手軽に味わえる神保町グルメ。
例えば、神保町で最も古いカレー店「共栄堂」で味わう極上のスマトラカレーに、あのタモリさんも絶賛したジャズオリンパスの赤いチキンカレー、そして常連からこよなく愛されている「エチオピア」のチキンカレーや、そして神保町で人気を二分すると言われる欧風カレーの名店、「ボンディ」や「ガヴィアル」など、カレーというジャンルを取ってみても奥深いお店がたくさん存在している。
他にも、書店の街ならではの喫茶店で例を挙げれば、タンゴ喫茶「ミロンガ・ヌオーバ」に神保町のランドマークとも言える喫茶店「さぼうる」など名店がひしめきあっている。
さらには、餃子の名店「スイート・ボーヅ(スヰートポーヅ)」に、行列ができるほど人気の焼きそば専門店「みかさ」、そして沖縄のクラフトビールが味わえる琉球バル「ガチマヤ」など、この街にしかないような個性豊かな名店が軒を連ねる、それが神保町グルメの魅力だろう。
そんな神保町グルメの中から、今回は老舗の街中華で味わう絶品の半チャンラーメンをご紹介したい。
お店の名前は「成光(なりみつ)」。
・姿を消す昭和のサラリーマンメニュー「半チャンラーメン」
「半チャンラーメン」とは、今は無き神保町の名店「さぶちゃん」の店主が産み出したメニュー。
「ラーメンとチャーハンを両方食べたい」というお客さんに、ラーメンとハーフサイズのチャーハンを提供した事から始まったと言われている。
いつの頃からか神保町にはその「半チャンラーメン」を出すお店が増え、全国的にもそのメニューが定着してきた。
しかしながら、ラーメンに加えてチャーハンをプラスすることで店側の負担が増えることから、現状では「半チャンラーメン」は多くの街の中華屋では見られないメニューになってきつつある、という状況とのこと。
・劇ウマの「半チャンラーメン」を味わえる「成光(なりみつ)」
実は神保町には「半チャンラーメン」の御三家と呼ばれるお店が存在する。
その御三家の1つが、今回ご紹介するお店「成光(なりみつ)」だ。
店内に入ると驚くのがまずはその清潔さ。
一般的な街中華を想像してはいけない。行き届いた掃除は、机の上から調味料の入れ物に至るまで、くもり1つない美しさ。
油でベトベト、という事も一切無い、まさに美しい街の中華屋さん、それが「成光(なりみつ)」なのだ。
そんな美しい街の中華屋さんは60年以上、この地で美味しい中華をたくさんの人に提供し続けてきたのだ。
・至高の「半チャンラーメン」を味わう
そんな美しい街中華で味わう「半チャンラーメン」は素晴らしいのひとこと。
まずはラーメンだが、見た目にも非常に美しい正統派の醤油ラーメンを味わえる。
レンゲで美しい醤油のスープを味わえば、美味しい「半チャンラーメン」タイムの始まりだ。
ツルツル・シコシコの麺とスープとの相性は抜群。しかし、ちょっと物足りない、というポイントもラーメンに感じるかもしれない。
そこでチャーハンが登場する。
しっかりと強火であおられたチャーハンはパラパラとなっており、さらにひとくち味わえば非常にコク豊かな味わい。
ラーメンとチャーハン、それらを交互に味わえば、この組み合わせがゴールデンコンビであることが分かる。
もちろん、美味しい醤油味のラーメンスープとチャーハンを一緒に味わってもいいだろう。
昭和から平成、そして来るべき新しい元号が来る時代へと、時代の変遷に関係なく美味しい街の中華屋さんとして存在してきたこちらのお店で、美味しい「半チャンラーメン」を味わってみてはいかがだろうか。
そこにはきっと、時代の流行に流されない、本当の美味しさがあるに違いないのだ。
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お店 成光 (なりみつ)
住所 東京都千代田区神田神保町2-23
営業時間 月~金 11:15~15:00 / 17:00~21:00 土 11:15〜14:00
定休日 日曜日、祝日