イギリス王室の結婚パレードが通る「ザ・ロンドン」なロイヤルウエディングルートを歩く
|伝統と革新、対照的なふたつの顔をあわせもつ大都会・ロンドン。
ロンドンの「伝統」の部分が凝縮されているのが、「ロイヤルウエディングルート」。その名の通り、英国王室の結婚パレードが通るルートです。2011年に盛大に行われたウィリアム王子とキャサリン妃のパレードの模様を覚えている人も多いことでしょう。
「ザ・ロンドン」とでもいうべき定番の観光スポットが並ぶ華やかなルートを歩いてみましょう。
・ウェストミンスター寺院
スタート地点は、世界遺産に登録されているウェストミンスター寺院。ロイヤルウエディングや戴冠式など王室の祭事や式典が催される特別な教会です。
8世紀にはすでに教会が建っていたという伝説もありますが、現在のように壮麗な大寺院になったのはエドワード証誓王の時代、1065年のこと。さらにその200年後、ヘンリー3世が当時フランスで流行していたゴシック様式に改築しました。
ウェストミンスター寺院における英国王室の戴冠式の歴史は1066年、ウィリアム征服王の時代から。以来40人の王や女王がここで即位しています。寺院内では、華麗な天井の装飾やステンドグラスのみならず、戴冠式の椅子も必見。
・国会議事堂とビッグ・ベン
テムズ河畔にどっしりと建つ国会議事堂と時計台「ビッグ・ベン」は、まさにロンドンの象徴。世界が模範とする議会政治が生まれた場所であるだけでなく、建築物としても第一級で、ウェストミンスター寺院とともに世界遺産に登録されています。
国会議事堂は、正式名を「ウェストミンスター宮殿」といい、1090年、ウィリアム征服王の時代に完成しました。審議の場として使われるようになったのは13世紀のこと。
1834年の火災で大部分が焼失し、名建築家チャールズ・バリーの設計でゴシック様式の建築物に生まれ変わりました。それも第2次世界大戦の被害を受け、現在見られる建物は3代目。
1834年の火災の被害を免れたウェストミンスター・ホールをはじめ、建物の一部はガイドツアーで見学できます。
・ホース・ガーズ
王室の近衛騎兵隊の司令部が置かれているのが、ホース・ガーズ。まるでタイムスリップしたかのような気分にさせられる騎兵がいまだ健在なのは、「さすが乗馬の国」といったところ。
騎兵隊は赤い軍服と青い軍服の2種類、総勢40名を超えるのだとか。月~土の11時からと日曜の10時からは見ごたえのある騎兵交替も行われます。
・バッキンガム宮殿
エリザベス女王の公邸として知られるバッキンガム宮殿は、もともと1703年にバッキンガム公の私邸として建てられたもの。1837年のヴィクトリア女王の即位と同時に王室の宮殿となりました。
そのため、王室の宮殿にしてやや質素にも見えますが、建築家ナッシュらが莫大な費用をかけて改装にあたった内部は、当時批判の的にもなったほど贅を尽くしたもの。夏期限定で宮殿内部の公式広間19室が一般に公開されるので、夏にロンドンを訪れるなら豪華絢爛な部屋の数々は必見です。
加えて、バッキンガム宮殿といえば、4月~7月末までは毎日、その他の期間は隔日の午前11時半から開催される衛兵交替式が有名。「ロンドンに来た!」という感慨ひとしおの光景を一度は見てみては。
・クイーンズ・ギャラリー
バッキンガム宮殿の一部で別館にあたるクイーンズ・ギャラリーは、王室所有の美術品が公開されているギャラリー。1962年に創設され、2002年の女王在位60周年を祝って大規模な改修と拡張が加えられました。
いつも同じ内容の展示が見られるというわけではなく、テーマに合わせた企画展示を入れ替えで開催しているため、どのような展示が見られるかは訪れる時期によって異なります。
・ロイヤル・ミューズ
ロイヤル・ミューズは、王室の馬や馬車、自動車などが見られる王室専用のうまや。馬や馬車を管理する人たちの住居もあり、王室を裏で支える現場を垣間見ることができます。
戴冠式で使用される金箔で覆われた馬車、ゴールド・ステート・コーチや、実際にロイヤルウエディングで使用された馬車も展示されており、華やかな王室行事が少し身近に感じられることでしょう。
ロンドンが大切に守ってきた伝統と格式が薫り立つ、ロイヤルウエディングルート。「定番」といわれるからには、やはりそれだけの理由があるものなのです。
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