マグリットにルーベンス、ブリュッセルの「ベルギー王立美術館」でアート三昧

コンパクトな街並みに数多くの見どころが詰まったベルギーの首都、ブリュッセル。

世界遺産の大広場「グラン・プラス」や小便小僧、大聖堂などとともに、必ず訪れたい観光スポットのひとつが「ベルギー王立美術館」です。

ブリュッセルの山の手にあたるロワイヤル広場周辺は「芸術の丘」と呼ばれ、美術館や図書館、コンサートホールなど、ブリュッセルの文化を担う施設が数多く集まっています。

・「ベルギー王立美術館」とは?

ベルギー王立美術館は、フランス革命軍がブリュッセルを占領していた1799年当時、現在のルーヴル美術館の分館として設立された美術館。

「古典美術館」「世紀末美術館」「マグリット美術館」という3つの美術館からなっており、15世紀から現代にいたる芸術作品を数多く所蔵する、ヨーロッパでも有数の美の殿堂です。

かつては王立美術館の中に古典部門と近代部門があるという構成でしたが、2009年にマグリットのコレクションが「マグリット美術館」として独立。2013年には「世紀末美術館」が誕生しました。

それぞれに個性が際立つ3つの美術館をめぐって、深淵なるベルギー美術の世界にふれてみましょう。

・古典美術館

フランドル美術が黄金時代を迎えた15~16世紀の絵画が充実しているのが、「古典美術館」。宮殿のような豪華でクラシカルな雰囲気のなか、ブリューゲルやルーベンスなどの巨匠作品が楽しめます。

15~16世紀の絵画として、フランドルや北ネーデルランド、イタリア、フランス、ドイツの作品が揃っており、なかでも有名なのがピーテル・ブリューゲル(父)による「ベツレヘムの戸籍調査」。この作品では、圧制と税金に苦しむ市民の姿を表現することで、ローマ政権に対する批判を表現しているといわれます。

そのほか、フレマールの画家による「受胎告知」やその弟子であったファン・デル・ウェイデンの「矢を持つ男」、ルーカス・クラナッハの「アダムとイヴ」も見どころ。

17~18世紀の絵画としては、ルーベンスをはじめとするフランドルやオランダ、スペインなどの作品があり、ルーベンスの「東方三賢王の礼拝」「リエバンの殉教」、ヤコブ・ヨルダーンスの「豊穣の寓意」などが見逃せません。

・世紀末美術館

「世紀末美術館」は、19世紀の世紀末にテーマを絞った美術館。

当時は、フランス語で「アールヌーヴォー」と呼ばれる世紀末美術運動が盛んになった時代で、従来の様式にはとらわれない新たなスタイルの絵画や工芸品などが生まれていました。

ブリュッセルはアールヌーヴォーの街として世界的に有名で、「アールヌーヴォーの父」とも呼ばれるヴィクトール・オルタの邸宅群は世界遺産にも登録されています。

世紀末美術館が所蔵する傑作が、現在のチェコ生まれでパリで活躍したアルフォンス・ミュシャ(ムハ)が手がけた像。エミール・ガレの作品をはじめとする、ガラス工芸も必見の美しさです。

・マグリット美術館

王立美術館のなかで最も人気が高いのが、「マグリット美術館」。その名の通り、ベルギー現代美術を代表するシュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリットの作品を集めた美術館です。

館内には200点ものコレクションが並んでおり、一度にこれだけ多くのマグリット作品を楽しめる場所はほかにありません。特に見逃せないのが、「秘密の遊戯者」「光の帝国」「帰還」の三作品。

時間を守る几帳面な性格で、アーティストというよりはむしろ公務員のようなサイクルで生活を送っていたというマグリット。一見奇妙でもありながら、思わず「これはなにを表現しているんだろう?」と引き込まれてしまう、マグリットの不思議な世界観を堪能してください。

・共通チケットを活用しよう

王立美術館では、「古典美術館」「世紀末美術館」「マグリット美術館」それぞれの専用チケットを販売していますが、3館すべてに入場できる共通チケットも発売されています。

複数の施設に入場する場合、共通チケットの購入が圧倒的にお得なので、最初に共通券を購入して同じ日に3館まとめて周りましょう。3つの美術館は地下でつながっているので、いったん入場すれば外に出なくても各施設を行き来することができます。

3つの美術館をじっくり見るなら、最低でも半日は欲しいところ。たっぷりと時間をとって、ベルギーが誇る名品の数々にふれてみてください。

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