岐阜で茶道の奥深さに触れる旅。伊奈波の古刹「法東山極楽寺」でお点前を体験
斎藤道三公や織田信長公の居城とされる岐阜城が山頂にそびえる金華山は、長良川と同様に岐阜市のシンボル的存在です。その金華山のふもと、伊奈波神社参道に、由緒あるお寺「法東山極楽寺」が静かに佇んでいます。

法東山極楽寺は、本山を京都永観堂禅林寺に構える浄土宗西山禅林寺派に属し、阿弥陀如来像をご本尊にいただくお寺です。もともとは、斎藤道三の前の稲葉山城主であった二階堂行家が、天正12年(1584年)、岐阜県厚見郡今泉村に建立したお寺でしたが、その後、文禄・慶長年間(1592~1600年)に現在地へ移転したとのこと。

法東山極楽寺では、本堂に設けられた静謐な空間で、本格的なお点前を体験できる「茶道体験」が人気です。わかりやすく説明してもらえるので、初めての方でも気軽に体験できます。

最初に住職が、床の間の「和顔愛語(わがんあいご)」の書を指して、説法をしてくれました。和顔愛語とは、「和やかな笑顔と、思いやりのこもった優しい言葉で人に接すること」を表す仏教由来の四字熟語だそうです。和やかな笑顔で他の人と接する、他の人に優しい言葉をかける……そんな些細なことでも、功徳を積むことになりえるという話が心にしみ込み、緊張がほぐれました。

続いて、和やかな雰囲気のなか、お点前が開始。お点前とは、茶の湯において亭主が客の前で茶道具を清め、抹茶を点ててふるまうまでの一連の作法を指します。単にお茶を淹れるというだけでなく、洗練された美しい所作を通じて客をもてなすという精神的な意味合いを持ちます。そのおもてなしの心(数寄の精神)は、かつての武士の美意識にも通じるものがあるに違いありません。

お点前では、まず亭主が水さしや、棗・茶杓を乗せた茶碗など、お点前に使うための道具を運び、畳の上の決められた位置に配置します。そうすることで、これから始まる茶の湯の空間を整えて、客を迎える準備ができたことを示すのだとか。

その後、亭主は袱紗で道具を清め、茶碗に抹茶とお湯を入れて点てます。手順としては、まず茶杓で棗から抹茶をすくって茶碗に入れ、次に釜の湯を柄杓で汲み、茶碗に注ぎます。湯を入れたら、茶筅を使って手早くかき混ぜ、きめ細やかな泡が立つように抹茶を点てる所作をする流れです。

亭主から正客へ、点てたお茶が差し出されました。亭主は茶碗の正面を客に向けて畳の縁の内側に置き、客は差し出されたお茶に一礼し感謝の意を示してから茶碗を手に取るのが作法だとか。お茶をいただく際に、茶碗を少し回して正面を避けることも教えてもらいました。

その後、住職に教えてもらいながら自分でお茶を点てる体験もしました。見るだけでなく、こんなふうに体験し、味わう時間を共有すると、鮮明に記憶に残ります。


法東山極楽寺の茶道体験は、本格的なお点前だけでなく、いろいろなお話を聞けるのも魅力です。体験を希望する方は、前々日までに申し込みが必要です。定員は8名、最少催行人数は3名となっています。詳細は法東山極楽寺の公式ホームページにてご確認ください。

清流長良川が育んだ豊かな自然や歴史、伝統文化が大切に受け継がれ、守られている岐阜。そんな岐阜を旅するなら、法東山極楽寺でお点前を体験し、茶道の奥深さや日本人の精神性の根底に触れてみてはいかがでしょうか。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
店名:法東山極楽寺
所在地:岐阜県岐阜市伊奈波通1丁目34
アクセス:JR・名鉄「岐阜駅」下車、岐阜バス「伊奈波通バス停」下車、徒歩5分
公式ホームページ:https://gokurakuji-japan.com/