マレーシアで異文化体験、クアラルンプールの「国立モスク」でイスラム文化に触れる

格安航空会社・エアアジアの就航により、ぐっと身近になったマレーシアの首都・クアラルンプール。

マレーシアはイスラム教の国。しかし多民族国家であり、他の宗教を信仰する人も多いこと、さらには南国気質もあってか、戒律はさほど厳しくありません。治安も安定していて、イスラム教の国のなかではきわめて旅がしやすい国といえます。

せっかくクアラルンプールを訪れるなら、マレーシアのイスラム教徒にとって重要な場所、「国立モスク(Masjid Negara)」でイスラムの文化に触れてみましょう。

クアラルンプールの国立モスクは、マレーシア最大級のモスク。1965年に建てられた比較的新しいもので、一見スタジアムのようなモダンなデザインが特徴です。天高くそびえるミナレット(尖塔)の高さは、73メートル。

クアラルンプール駅からほど近い市内中心部にあり、礼拝時間や礼拝堂内部を除き、イスラム教徒でない見学者にも開放されているので、観光スポットとしても人気です。

入場に際しては、女性はローブの着用が必須。ローブカウンターにて無料で貸し出しを行っていますのでご安心を。男性も、膝が出るようなショートパンツを履いている場合はローブを着用します。

広大な敷地にゆったりと建てられた国立モスクは、まるで周囲とは隔絶された別世界。大都会クアラルンプールの中心部にいることを忘れてしまいそうです。

礼拝堂の周囲には噴水が設けられ、清涼感満点。常夏のマレーシアで「涼」を感じさせる工夫であるだけでなく、「清浄」を重んじるイスラム教の教えが体現されているように感じられます。

ターコイズブルーが美しい屋根は、マレーシアの13の州とクアラルンプールを表した14角形の星形。

建物には、随所にイスラム美術特有の幾何学模様があしらわれています。これらの模様は、イスラム教における「無限のありかた」を象徴しているのだとか。

8000人の信者が収容できる主礼拝堂は、自然光が降り注ぐように工夫され、明るく開放的な空間。色鮮やかなステンドグラスや、壁面の幾何学模様の装飾が美しく、幻想的な雰囲気を醸し出しています。

非イスラム教徒は礼拝堂内には入れませんが、部屋の前から見学と写真撮影が可能です。

ステンドグラスにはアラビア文字があしらわれ、時計の数字もアラビア数字。

メッカの方角を示すミフラーブ。イスラム教徒はミフラーブのある方向に向かって祈りを捧げます。

イスラム美術を生かした装飾美、モスクならではの神秘的な雰囲気を感じてみてください。

モスク自体の美しさもさることながら、国立モスクを訪れると印象に残るのが、人々の親切さ。モスクのスタッフは、日本人とわかれば日本語でフレンドリーに迎えてくれます。

さらには、観光客向けに無料の水やお菓子まで用意されていて至れり尽くせり。イスラム教の「客人をもてなすように」との教えが生きているのでしょうか。

日本にいるとなかなか身近に感じにくいイスラム教ですが、クアラルンプールの国立モスクを訪れれば、イスラム教が前よりも身近に感じられるようになるはず。

国立モスクの近くには、世界各国のイスラム芸術を集めた「マレーシア・イスラム美術館」もあるので、ぜひあわせて訪れてみてください。きっと、イスラム美術の芸術性と奥深さに魅了されるはずです。

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名前 国立モスク(Masjid Negara)
住所 Jabatan Kemajuan Islam Malaysia,Jalan Perdana 50480 KL
非イスラム教徒開放時間 9:00-12:00/15:00-16:00/17:30-18:30、金曜日 15:00-16:00/17:50-18:30