イギリス旅行で時間がないときはこれだけ!ロンドンの大英博物館で見るべき至宝10選

イギリス・ロンドンを代表する観光地といえば、ご存じ「大英博物館」。

おそらく世界で最も有名な博物館であり、年間600万人以上にのぼる来訪者は、博物館としては世界最多。美術館を含めた「ミュージアム」としてみれば、パリのルーブル美術館に次ぐ世界2位につけています。

人気・規模ともに世界でも指折りの大英博物館は、所蔵点数も膨大。古今東西の美術品などおよそ800万点を所蔵し、そのうち約15万点が常時展示されています。

800万点に比べると15万点は少ないように感じられますが、それだってとんでもない点数。大英博物館の収蔵品を一点一点じっくり見ていたら、それだけでロンドン旅行が終わってしまいそうです。

そこで、「あまり時間は取れないけれど、せっかくロンドンに行くからにはやっぱり大英博物館を見たい!」という人のために、大英博物館で見るべき至宝10点をご紹介します。

・ロゼッタストーン(展示室4)

大英博物館の代名詞的存在がこれ。エジプトで紀元前196年に作られ、1799年に発見された石板「ロゼッタストーン」です。

石にはプトレマイオス5世によって出された勅令が刻まれており、古代エジプトのヒエログリフとデモティック、それにギリシャ文字を加えた3種類の文字での記述が見られます。

古代エジプトの象形文字の解読のカギとなったロゼッタストーンは、エジプト学における記念碑的存在。古代エジプト文明に対するヨーロッパ人の強い憧れが詰まった大英博物館の至宝です。

・アッシリアの人頭有翼獅子像(展示室6)

現在のイラク北部にあたる古代アッシリアでは、宮殿や寺院の装飾のため巨大な石像やレリーフが数多く制作されました。そのうちの一点が、アッシュールナツィルパル2世の玉座の間の入口で発見された人頭有翼獅子像。

紀元前883~859年のあいだに造られたものとみられており、人間の頭に獅子の身体、さらに大きな翼をもつという、一度見ると忘れられないインパクト抜群の姿をしています。見上げるほどの高さをもつ巨大な像でありながら、一枚岩から彫られたものだというから驚き。

・パルテノン神殿の彫刻群:エルギン・マーブル(展示室18)

「エルギン・マーブル」とは、ギリシャの首都・アテネにあるパルテノン神殿から運ばれてきた大理石の彫刻群の総称。制作年代は紀元前438~432年ごろと考えられています。

19世紀初め、イギリスの外交官だった第7代エルギン伯爵トマス・ブルースによってこれらの彫像が持ち帰られたためその名が付きました。

今にも動き出しそうなイリス像やイリッソス像の躍動感あふれる姿は、古代ギリシャ美術の水準の高さを雄弁に物語っています。

展示室の隅に置かれている「セレネの馬」にも注目。パルテノン神殿の東破風の一部をなしていたと見られる馬の頭部像で、飛び出した目とたるんだ皮膚は、月の女神セレネの馬車を曳いて天空を駆けた馬の疲労を表しているのだとか。

・イースター島のモアイ像(展示室24)

南米チリのイースター島のシンボルとして、あまりにも有名なモアイ像。それが大英博物館でも見られるのです。「ホア・ハカナナイア」と名付けられたこの像は、1000年ごろに造られたとみられています。「ハカナナイア」は、「盗まれた・隠された友」という意味。

玄武岩から造られた巨大な像は先祖を象徴しており、目にはもともと赤い石やサンゴがはめ込まれ、石像自体も赤と白で彩色されていたのだとか。

屋外に立つイースターのモアイ像と違って、ここに展示されているモアイ像は風化することがなく、現存するモアイ像のなかで最も保存状態が良いといわれています。

・双頭の蛇のモザイク(展示室27)

メキシコ美術を象徴する一点がこちら。1400~1500年代に作られたもので、祭礼行事で胸飾りとして使われていたと考えられています。

顔は一見チーターのような動物にも見えますが、これは蛇。複数のメキシコの神に関連する蛇は、メキシコや中米の宗教的モチーフとしてたびたび登場します。トルコ石を用いたモザイクは色鮮やかで、意外とサイズも大きく見ごたえあり。

・ルイス島のチェス駒(展示室40)

1150~1200年ごろに作られた中世ヨーロッパのチェス駒。スコットランドのルイス島で発見されたためにこの名が付きましたが、もともとの制作場所はノルウェーではないかといわれています。

セイウチの牙やクジラの歯を加工して、王や王妃、司祭や騎士の姿が表現されており、その表情の豊かさは目を見張るほど。中世のチェス駒としては珍しく、すべての種類の駒が揃って発見されている貴重な品です。

また、映画「ハリーポッターと賢者の石」に登場した魔法使いのチェスのモデルになったことでも有名。ハリー・ポッター人気も手伝って、さらに注目を集めるようになりました。

・金製のベルトバックル(展示室41)

サフォーク州ウッドブリッジ近くで発見されたアングロ・サクソン時代の船葬墓「サットン・フー」は、イギリスの考古学史上最も重要な発見のひとつ。

1939年に発掘され、豊かな副葬品の数々が見つかりました。そのひとつが、600年代初頭に作られた金製のベルトバックル。長さ13センチと小ぶりながら、その存在感は絶大です。

・フラッド・タブレット(展示室55)

現在のイラクの一部にあたるメソポタミアの遺産で、世界で最も有名な楔形文字の粘土板。紀元前700~600年ごろのものとみられています。

粘土板には、古代メソポタミアの都市・ウルクの支配者が不死を求めて旅するギルガメシュ叙事詩の一部が刻まれています。ここに記された文章は、旧約聖書のノアの方舟や創世記の物語と酷似していて、神々が人類を滅ぼすためにどのようにして洪水をもたらしたのかを語っています。

ロゼッタストーンのミニチュア版のような雰囲気ですが、長さ15センチと思いのほか小さいのでお見逃しなく。

・ウルの牡山羊の像(展示室56)

メソポタミアの古代都市・ウルでは、王族や上流階級の人々は豪華な装身具や武具などとともに埋葬されていました。この牡山羊の像は、王墓の「死の穴」から発見されたもので、宮廷の音楽家や芸人の副葬品であったのではないかとみられています。

紀元前2600~2400年ごろと想像を絶する昔に作られたものですが、まったくその古さを感じさせないその美しさには、ただただ驚くばかり。

金箔が張られた木製の像で、金や銅、ラピスラズリといった貴重な材料を使って丹念に細工が施されています。学術的価値はよくわからなくても、とにかく「かわいい!」とひと目惚れしてしまう人多数。

・エジプトのミイラおよび金箔を施した内棺(展示室63)

大英博物館でロゼッタストーンに次いで高い人気を誇っているといっても過言ではないのが、古代エジプトのミイラの展示室。古代エジプト人にとって死と死後の世界は特別なものであり、ミイラ化は死者をこの世のものから不死の存在へと移行させるためのステップのひとつでした。

この展示室では、今にも動き出しそうなミイラとともに、金箔や緻密な装飾が施された美しい内棺が展示されています。

人間のミイラだけでなく動物のミイラもあり、特に目を引くのが猫のミイラ。当時のエジプトでは、猫は女神バステトの化身とされていたため、多くの猫のミイラが造られたそう。

ちゃんと見ようと思えば1日や2日では見切れないような膨大な数の展示品がある大英博物館ですが、これらの10点だけなら2時間あれば十分。

時間が余ったら展示室92~94の「三菱商事日本ギャラリー」に足を運んでみてもいいでしょう。海外で日本の文化がどのように紹介されているのかを見るのはきっと新鮮な体験になるはず。

時間に限りがある旅行中でも、ポイントを絞って世界最高峰の博物館を満喫してください。

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