あのタモさんの生みの親・赤塚不二夫が愛した老舗洋食店 / 東京都新宿区中落合の「ぺいざん」

世界の様々な料理をアレンジしたり工夫する事によって、日本では確立された料理のジャンルの1つにもなっている、まさに日本人が産み出した料理のジャンルの1つ「洋食」。

日本各地にはキラボシのごとく「洋食」の美味しいお店が存在しています。

例えば、浅草には永井荷風が愛した洋食屋「アリゾナキッチン」が、金沢には金沢市民に愛されているハントンライスを味わえる「グリル・オーツカ」が、そして広島には、広島市民に愛されつづける肉のデパート「肉のますゐ」があります。

他にも、オムライス発祥の店である大阪の「北極星心斎橋本店」や、トンカツ発祥の店である銀座の「煉瓦亭」カツカレー発祥の店である「銀座スイス」さらには、明治時代から洋食店を営む新橋の「むさしや」など、日本の近代化の歴史とともに育まれた、まさに文化の1つといってもいいようなお店が多数存在しています。

そんな様々なお店の中から、今回は、街に佇む1軒の洋食店をご紹介しましょう。

それが今回ご紹介するお店、東京都新宿区中落合の「ぺいざん」。

・見た目は一般的な普通の街の洋食店
こちらのお店、見た目は商店街に存在する、ごく普通の1軒の洋食店。

近くには、大正12年に創立され80余年の伝統を有する目白学園が運営する目白大学が存在するため、お昼にはご近所さんだけでなく、多くの学生を見かける事ができます。

たっぷりのラードで揚げられた各種のフライとボリューム満点のメニューが多くのお客様に愛されている街の洋食店、それが「ぺいざん」なのです。

ただ、1つ他の洋食店と異なっているのは、あのタモリさんを発掘した伝説の漫画家・赤塚不二夫さんがこよなく愛した洋食店だということ。

・伝説の漫画家・赤塚不二夫とは?
赤塚不二夫さんといえば「天才バカボン」に「おそ松くん」、「ひみつのアッコちゃん」に「もーれつア太郎」などの大人気漫画を連載し、「ギャグ漫画の王様」と呼ばれた天才漫画家。

そんな天才漫画家は、戦前当時の満州国と中華民国の国境付近で生まれ、10歳の時に終戦を迎えます。

終戦後の引き上げの際に妹や弟などの肉親を亡くし、さらには満州からの引き上げという理由で差別を受けるなど、想像を絶する壮絶な戦前・戦後を過ごした赤塚少年は、映画の看板を制作する新潟市内の看板屋に就職、多くの映画を鑑賞することで、当時お笑いの最先端だったチャップリンなどの喜劇に感銘を受けます。

その後、東京へと上京した赤塚少年は、石森章太郎の手伝いということで、手塚治虫や藤子不二雄、など、知らない人はいない、と言い切っても過言ではないほど伝説的な漫画家が多数出入りするトキワ荘に移り住み、その後、数々のギャグ漫画を執筆していく事になります。

そんな赤塚不二夫さんが見出した1人の芸能人、その方こそ、タモリさん。

タモリさんの感謝の気持ちは、赤塚不二夫さんが無くなられた時の弔辞にしたためられていました。

弔辞を記したと思われていた巻紙は、まったくの白紙で、その白紙の弔辞を約8分間も読み上げたタモリさんに世間は非常に驚きました。

そしてその弔辞の最後はタモリさんの愛に満ちた、このような言葉で締められていました。

「私もあなたの数多くの作品の一つです。」

・赤塚不二夫の愛したメニュー「ハンバーグ」と「串カツ」
こちらのお店には、そんな赤塚不二夫さんが愛していたこの店のメニュー「ハンバーグ」と「串カツ」を同時に味わうことができる、「いちおしセット」があります。

ジューシーな和風ハンバーグには特製の和風ソースを、そしてタマネギと豚ヒレカツのオーソドックスな串カツにはデミグラスソースをかけていただくのですが、これが古き良き洋食店の味わいでタマりません。

和風ハンバーグは大根おろしと特製の和風ソースであっさりと味わえるため、何個でもペロリと完食できそうなほど。

正統派の串カツはたっぷりのラードで香ばしく揚げられており、中のジューシーなヒレカツと柔らかく甘みのあるタマネギとの相性はバツグンです。

ギャグ漫画の王様に愛された洋食店には、ギャグではない、正統派洋食店の味わいが、そこにはあります。

様々な場所にある、想い出の味、懐かしい味、そして正統派の味わい。

その全てが日本の歴史であり、これまでの方々が積み上げてきた文化であるに違いありません。

そんな積み上げられてきた、育まれてきた大切な宝物のようなお店を味わう旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

きっとそこには、積み重ねられてきた1つ1つがあり、その1つ1つそのものを味わうたびに、愛しさすら感じてしまうに違いありません。

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お店 洋食の店 ぺいざん
住所 東京都新宿区中落合1-13-3
営業時間  11:30~14:30 / 17:30~22:00
定休日 無し