【日本麺紀行】米原駅で味わう昔懐かしい駅のうどんとは? / 滋賀県米原市の「キッチン井筒屋」

日本各地には様々な麺料理が存在している。

例えば、美味しんぼにも登場する100年続く津軽そばのお店「三忠食堂 本店」沖縄で知らない人がいないほど有名な沖縄そばの名店「宮里そば」、そして立ち食いうどんマニアが最後にたどり着く最高のお店とも名高い富山県・石動駅の「麺類食堂」に、横浜が誇るソウルフード・サンマーメンの元祖「玉泉亭」、さらには愛知県一宮市で中毒グルメとして人気の「ベトコンラーメン」立ち食い蕎麦マニアが最後にたどり着く絶品の駅そば、北海道の秘境・音威子府駅にある「常盤軒」などなど、全国各地にその場所でしか味わえない絶品の麺料理が数え切れないほど存在している。

そんな全国の絶品麺料理の中から、今回は滋賀県米原駅にある駅うどんの名店をご紹介したい。

お店の名前は「キッチン井筒屋」だ。

・ルーツは安政元年(1854年)創業の旅籠、それが「キッチン井筒屋」

こちらのお店、ルーツは安政元年(1854年)創業の旅籠「井筒屋」という由緒正しい旅人のためのお店。

その後は明治22年7月1日東海道線開通と時を同じくして駅弁屋を始め、現在まで美味しいお弁当を提供し続けているのだ。

こちらのお店には、「井筒屋」の歴史が所狭しと展示されており、その積み重ねられてきた長い歴史に想いを馳せることができる。

・「キッチン井筒屋」で味わえる昔懐かしい駅のうどん

時代が進み、移動速度が高速になってしまったがため、旅情を感じられるプラットフォームで駅うどんを味わうことは今はもうできない。

ただ、その変わらぬ味わいを「キッチン井筒屋」で味わうことはできる。

様々なメニューがあるのだが、今回はさっぱりとした梅干しの味わいとトロロ昆布の味わいが奥深い、梅・とろろ昆布うどんをオーダーした。

非常にシンプルなうどんであるが、ダシの味わいは格別である。

米原駅のプラットフォームでの味わいを経験したことがある人であれば、その味わいの深さはさらに格別に感じるかもしれない。


東海道本線と北陸線の分岐点となったことで鉄道の要衝となった米原。

要衝であるがゆえ、駅周辺には鉄道施設が数多く設置され、大正から昭和初期には「鉄道の町」として発展し新幹線駅も開業した。しかしながら時代の移ろいとともに、かつての要衝というポジションでは無くなってしまっているのも確かだ。

ただ、時代の移ろいの中にあっても色褪せない井筒屋のお弁当とうどんは、今なお旅人を楽しませてくれている。

もし米原駅を訪れることがあるのであれば、ぜひ味わっておきたい逸品である。

<お店の情報>
お店 キッチン井筒屋
住所 滋賀県米原市下多良2-1 井筒屋本店
営業時間 09:00 〜 15:00