【酒紀行】日本のウイスキーを作った男! 竹鶴政孝が夢見た未来を実現する『仙台峡蒸溜所』
|ウイスキーが好きな方は、竹鶴政孝という名前をご存知だと思います。竹鶴政孝は、かつての寿屋(現サントリー)山崎蒸溜所初代工場長として日本初の本格スコッチ・ウイスキー製造を指揮しました。
寿屋退社後は、より本格的なスコッチの製造をめざし、大日本果汁(現ニッカウヰスキー)を創業、品質にこだわり続けた技術者であり、「日本ウイスキーの父」として知られています。
その竹鶴政孝が「異なる蒸溜所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を貫くために、北海道・余市で興した最初の蒸溜所から約30年後、新しい蒸溜所の建設を行った場所、それが仙台・宮城峡でした。
今回は竹鶴政孝が夢見た未来を実現する場所、「仙台峡蒸溜所」をご紹介します。仙台の宮城峡へは、JR仙台駅からJR仙山線の作並駅まで約30分くらい電車にゆられていく事になります。作並駅に到着すると、大きな看板が、ウイスキー好きをお迎えしてくれます。
到着するとさすがニッカさん、専用のマイクロバスで蒸溜所まで送迎していただけます。こちら、電車の到着時間にあわせて出発してくださるので、JRの作並駅まで行けば工場までスムーズに移動できます。
のどかな国道をマイクロバスにゆられていくと、森の中に仙台峡蒸溜所がその姿を現します。工場の姿をみると圧巻の一言。森とレンガ造りの工場が何とも言えない融合を産み出しています。
マイクロバスは工場内をゆっくりと進み、見学の受付カウンターまでマイクロバスで送ってくれます。受付をすませると、さぁ見学スタートです。
詳細なウイスキーの製造工程などについては、こちらのニッカさんのウェブサイトにお任せしたいとおもいます。工場見学をさせていただいた時に強く感じたのは、この仙台峡が持つ、3つの「香り」です。
1つ目は、「森の香り」です。豊かな自然を育む仙台峡の、芳醇な森の香り。是非、深呼吸して感じてみてください。美味しい空気を胸一杯に吸い込めば、日頃のストレスも仙台峡を爽やかに駆け抜ける風となって消えていくでしょう。
2つ目は、「発酵の香り」です。工場見学をしていると、麦汁と酵母が醸し出す、極上の白ビールのような香りを感じる事が出来ます。この香りがウイスキーの基礎となって、美味しいニッカウイスキーの形になっているのだと思います。
3つ目は、「歴史の香り」です。工場見学の最後に、ニッカウイスキーが熟成されている貯蔵庫を案内していただくのですが、貯蔵庫では、ニッカウイスキーの歴史をしっかりと感じる事ができます。
仙台から少し足を伸ばして、日本のウイスキーの情熱を、そしてその情熱が育んだ、3つの香りを感じてみませんか?
宮城峡蒸溜所見学ガイドはこちらから
http://www.nikka.com/guide/miyagikyo/about.html
記事・写真 by 酒とんぼ
(こちらの画像は、ニッカウイスキーさんのウェブサイトから引用いたしました)