書籍『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編』著者・詩歩さん独占インタビュー
|世界中のあらゆる絶景写真を掲載したFacebookページ『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』は、70万いいね! を超えるほど注目を集めているサイトだ。その内容は極めてシンプル。地球の美しさに魅せられた日本人女性・詩歩さんが、厳選した絶景写真を紹介しているだけ。
<1枚の写真の為に2~3時間>
だが、その「絶景写真を紹介しているだけ」が非常に難しい。詩歩さんは写真選びをこう語る。「掲載する写真はじっくり厳選しているんです。これいいな、ではなく、もっとよい写真があるはずだと思って、念入りに厳選しているんです」。1枚の写真の為に2~3時間、場合によってはそれ以上の時間をかけて厳選する事もあるという。
彼女の著書『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』(三才ブックス)は、ベストセラーとしてAmazonランキング1位に輝いた。そしてその続編『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編』が発売された。そんな彼女に、絶景に関してのこだわりを独占インタビューしてみた。
<絶景に対する価値観>
透明な海、青い湖、神話に出てきそうな山、魔法使いが出てきそうな森、蛍の集団が照らす川、あらゆる絶景が彼女のページに掲載されている。どの絶景も、単なる綺麗では終わらない。深く感じる何かを感じさせてくれる。彼女にとって、絶景とはどんなものなのだろうか? どのような価値観で絶景をとらえているのだろうか?
「絶景はストーリーが大切だと思うんです。例えば、目の前に綺麗な山があったとしますよね。確かに綺麗な山ならば見て感動するかもしれませんが、その山が有名な山だったり、何番目に高い山だったり、知っている山だったら、もっと感動するはずなんです。そこにプラスアルファのストーリーがあるから、自分の中で盛り上がる。だから普通の綺麗が絶景になると思うんですよね」(詩歩)
「中にはパッと見て感動する絶景もありますよね。初めて見る風景写真だけど、直感で、そこに行かなきゃと思ってしまう絶景。本やFacebookのページが、そういう好奇心を感じてもらえるきっかけになると嬉しいですね。私自身、写真を見て行きたいと思わない写真は、絶対に掲載しないようにしています」(詩歩)
<妥協しちゃいけない部分>
今回発売した『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編』では、単に絶景を紹介するだけでは終っていない。その絶景に関する情報を掲載し、「ここに行きたい」と思わせる魅力が生まれる誌面になっている。本やFacebookを読むだけで、すでにプラスアルファのストーリーが私達の脳裏に記録されるのだ。
詩歩さんの、万人の心に刺さる絶景を見極める力にも注目したい。北海道の美瑛町(びえいちょう)には、Macの壁紙にもなった青い池があり、詩歩さんはその写真も掲載している。私達のような素人が撮っても美しい風景として撮る事は出来るが、それ以上に美しい、ワンランク上の絶景写真が掲載されている。
「少しでも満足しない絶景写真は載せないようにしています。本当は載せたかったのになと思いつつ、掲載を見送る絶景もあるんです。どうしても妥協しちゃいけない部分なんですよね。妥協しちゃいけないというより、妥協できない部分」(詩歩)
「青い池は、ケント白石(Kent Shiraishi)さんが撮られた写真を掲載しました。やはりMacの壁紙にも使われるほど美しい青い池の写真を撮った方ですから、厳選したら必然的にケントさんの写真になりましたね」(詩歩)
<詩歩さん自身も絶景を撮影>
今回の絶景本は、日本に限定した完全日本版。47都道府県の絶景写真を掲載し、誰もがすぐに行けるように紹介されている。海外ならば敷居が高かった絶景も、国内なら行きやすくなる。詩歩さん自身、日本を旅してコラムや写真を撮影し、今回の本に納めているという。
「佐賀県の玄海町にとても美しい棚田があるのですが、そこにどうしても行きたくて、実際に写真を撮ってきました。本当に感動しましたね。ここは絶景スポットなので、5時間前から夕日の写真を撮るべく場所取りをしている方もいました。すごい熱意ですよね」(詩歩)
棚田の写真を見てみると、夕日の反射が海から棚田まで続いており、この世とは思えない絶景だった。詩歩さんが撮影した絶景写真も含め、今回の本は多数のオリジナル写真が掲載されているのも嬉しい。また、この本では、あえて知られていない絶景地も紹介しているという。
今回は、人工物の絶景も掲載されている。今までは自然をメインとした絶景がほとんどだったので、異彩を放つポイントになるかもしれない。また、知る人ぞ知る日本の秘境的な村も登場する。さすが絶景案内人である。
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Via: 死ぬまでに行きたい!世界の絶景