オランダのスキポール空港到着ロビーにて、様々な愛のストーリーに想いをはせてみよう!
|かつて世界で大ヒットし、今も人々の好きな映画の1つとして挙げられることも多いラブコメディ映画、「Love Actually(ラブ・アクチュアリ)」。
この映画では、家族、夫婦、恋人、友人間の「愛」に関わる7つのストーリーが並行して描かれています。多くの人が実際に経験したり、身近に感じられる話も多いことも、長く続く人気映画作品となった要因かもしれません。
さてこの映画、冒頭と最後で登場するシーンは実は共通しています。それは「空港の到着ロビー」です。
この映画のイギリス人監督リチャード・カーティス氏は、自身がロサンゼルスの空港で遭遇した場面がヒントであったと言います。その想いは、映画の冒頭で、主人公の1人イギリス人首相を演じるヒュー・グラントが語る話に込められています。
「世の中のことで憂鬱な気持ちに感じる時には、僕はヒースロー空港(イギリス・ロンドンの空港)の到着ロビーの光景を思い返すようにしているんだ。(中略)親子、夫婦、友人など、愛は至るところに溢れていることに気づくだろう」
実際に世界のどの空港の到着ロビーを見まわしてみても、多くの場合、この言葉が言い得ようとしたことを感じる光景を目にすることができるでしょう。
例えば、飛行機が世界の300以上の都市との間を行き来し、毎年1千万以上が利用する、ヨーロッパで4番目に乗客数が多いオランダのスキポール空港(アムステルダム)。
世界それぞれで、「再会」を喜ぶ形、「愛」を表現する形は違います。この空港内を歩いていると、他の空港とは少し違った様相が見え隠れしています。
まずその1つは、お花屋さんです。通常、他国の空港では、出発する人たちが買う旅行必需品やお土産などのお店が多いなか、何故お花が売られているのでしょうか?
よくよく見ると、沢山の花で作られたフラワーアレンジメント、ピンとした1輪のバラなど、見事な花束が店頭に並びます。実は、ここで花束は、出迎にやってきた人たちが購入する人気のプレゼントなのです。
そして可愛らしい風船の数々。風船には「Welcome Back」、「Welcome Thuis(おかえりなさい)」といった帰宅を歓迎するメッセージから、「I Love This Much」と書かれたものまで様々です。
実際に到着ロビーを訪ねてみると、花束を抱えたり、風船を掲げて待っている人たちをよく見かけます。
また待ち人がやってくると、ぎゅっと抱き合うなど、日本での空港とはまた少し違った、再会を喜び合う美しい光景が目に飛び込んできます。
さてオランダには、この空港を舞台に、一般の人たちの実話を追う「Hello Goodbye(ハロー グッドバイ)」という
10年以上も続くドキュメンタリー的な番組があります。
オランダは、オランダ人と他国の国籍者のカップルも多く、また様々な国からの難民・移民も多く住んでいることもあってか、通常ではあまりないような愛や苦悩の入りまじったリアルなストーリーも溢れています。
(写真:放送中の「Hello Goodbye」より)
両親から離れて一人難民としてオランダに移り住み、長い年月を経てやっと家族がオランダにやってくることができ、再会を果たす親子。違う国籍の恋人の滞在ビザがなかなか取れず、普段は離れ離れで過ごし、やっとの休暇で再会を果たすカップル、など本当にさまざまな人生模様が映し出されます。
(写真:放送中の「Hello Goodbye」より)
ちなみに先日の番組では、オランダに住む大家族と離れることができず、アメリカに住む夫と遠距離夫婦をつづけた女性が登場しました。長い間の苦悩の末、子供のことも考えて、夫の住む地に移ることを決めたのです。
このスキポール空港で、アメリカからやってきた夫との再会を果たします。そして2週間ほどオランダなどで一緒に休暇を過ごした後、ついにアメリカへと旅立つ日がやってきます。大事な母から、「自身の家族の礎を築くことはとても大事なことだから」との言葉を受けながら別れる場面が映し出されます。
こうしてそれぞれの背後にある人生のストーリーは様々ですが、どの話も「ラブ・アクチュアリー」のカーティス監督が伝えたかったと語る「愛で溢れる」ストーリが多くあるようです。
実際に、空港で待つ人たちに話を聞くことは難しいですが、待ち受ける様子を見ながら、様々な心温まる愛のストーリーに想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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この記事のお店・スポットの情報
お店・スポット名 : アムステルダム・スキポール空港 — オランダ
住所 : Evert van de Beekstraat 202, 1118 CP Schiphol, オランダ