たったひとりのおじいさんが作りだした鮮烈なアートがあふれる虹の村。台中「彩虹眷村(さいこうけんそん)」
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日本から最も近い海外の1つ台湾。親日的であり、かつて日本統治時代の遺構が今も有効利用されている台湾は、実は残念ながら世界的には国として承認されていない国でもあります。
様々な歴史的な軋轢(あつれき)によって「国」としての承認という形式は取り残されてしまっている台湾ですが、誰もが知る通り、今なお力強い発展を遂げており、素晴らしい「国」であることは、明らかです。
そんな素晴らしい台湾に、世界に誇るべき鮮烈なアートがあふれている虹の村と呼ばれている場所があることをご存知でしょうか。
それが、今回ご紹介する、台中に位置する「彩虹眷村(さいこうけんそん)」です。
・眷村(けんそん)とは
実は台湾には眷村(けんそん)と呼ばれる場所はたくさん存在しています。長い歴史の話は省略しますが、第2次世界大戦が終わり、中国大陸で起きた内戦によって、毛沢東率いる中国共産党に敗北した蒋介石率いる中国国民党は台湾に逃れることになります。眷村(けんそん)とは、当時、中国国民党の人々が移り住むための集合住宅地として作られた場所でした。
・彩虹眷村(さいこうけんそん)を作り上げたおじいさん
かつては大きなコミュニティとしての機能を持っていた眷村も、現在は高齢化し建物の老朽化が進むなど、かつての状況とは大きく変化してきており、無くなってしまった眷村もたくさんあります。しかしそんな眷村のひとつであった台中市春安区の眷村を明るく鮮やかな村へと変えたのが、この村で絵を描き続けてきたひとりのおじいさん、黄永阜(こう・えいふ)さん。
・みんなの笑顔がまぶしい村へ
黄さんは、2015年で93歳とかなり高齢のおじいさん。2008年の8月から来る日も来る日も色鮮やかで明るい鮮烈な絵を書き続け、無くなってしまう可能性もあったこの眷村を、いまでも多くの観光客が訪れる幸せな場所へと変えてしまったのです。ところどころに散りばめられた「感恩」、「平安」、「大家有福気(みんなが幸せでありますように)」という言葉。見に来てくれた人の幸福を願って描かれているこれらの絵によって、世界的にも有名な村になりました。運が良ければ村の中で黄さんにバッタリ出会うことができるそうです。
もし台湾にいったら、台中の「彩虹眷村(さいこうけんそん)」に遊びにいってみてはいかがでしょうか?
そこにはきっと黄さんの暖かい思いが溢れる、笑顔溢れる場所に出会うことができると思います。
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