まるでお城!?スイスの歴史・文化を凝縮した「スイス国立博物館」
|スイス最大のチューリヒには数々の美術館や博物館がありますが、美術に特別な関心がない方にもおすすめなのがスイス国立博物館です。
チューリヒ中央駅のすぐ脇に立つ壮大な城のような建物が国立博物館。
駅のすぐ近くにこれほどの規模の博物館を有する国はそれほどありません。
近代都市でありながらもこの場所に博物館を維持していることが、スイスという国がいかに歴史文化を大切にしているかをあらわしています。
博物館の建物は1898年にチューリヒ出身の建築家、グスタフ・グルによって建てられました。
中世後期から近代にかけての建築様式を組み合わせてつくられた価値の高い建物に足を踏み入れること自体が特別な体験。
上階からはこんなに素敵な景色も臨めてしまうのです。 館内では、2009年にオープンした常設展示の「スイスの歴史」と「コレクションギャラリー」が目玉となっているほか、期間ごとに異なるテーマでの特別展示も開催されています。
「スイスの歴史」では、移住とその後の定住、宗教、政治史、近代の経済発展という4つのテーマに分けて建国から現在にいたるまでのスイスのあゆみが示されています。
単に展示品を並べるだけでなく、解説ビデオがあったり、ガラス張りの床の下から展示品がのぞくようになっていたりと、体感しながら学べるような趣向が凝らされています。
時計やチーズ、山といったスイスを代表するイメージがあしらわれた巨大な輪車がゆっくりと回転。
とてもわかりやすくユーモアたっぷりにスイスらしさを伝えていて、ついにんまりしてしまいそうです。
中世から現代にいたるまでのスイスの工芸品の逸品を集めた「コレクションギャラリー」。
宗教的な彫刻やタペストリーからガラス製品、近代の指輪などのアクセサリーにいたるまで、その展示内容はバラエティに富んでいて見どころが満載です。
手の込んだ手仕事の妙に惚れ惚れしてしまうはずです。
伝統的なスイスの住まいが見られる「スイスの住宅と家具」の展示も必見。
精巧な装飾が施された木製の家具や天井、そして部屋の隅に備わった暖炉のあまりの豪華さに目を奪われます。
ヨーロッパの寒冷な地域では14世紀からこうした陶器のストーブが家庭内で使用されるようになり、当初はシンプルだったデザインがしだいに装飾性の富んだものに変化していったのだとか。
こちらのストーブは16世紀に作られた傑作のひとつです。
金に糸目をつけず当時の最高の職人たちに作らせた空間。
彼らによって生み出された豪華な装飾が施された部屋や家具は持ち主の権力や財力の象徴でした。
歴代の衣装や武器の展示もあり、まさにスイスの歴史・文化のすべてが凝縮されているといっても過言ではないスイス国立博物館。
館内はとても広く展示品は膨大な数にのぼるので、ざっと見るだけでも一時間程度では足りません。
ゆっくり見学できるよう、訪れる際には時間に余裕をもつことをおすすめします。
ここを訪れればきっとあなたもスイス通になれること間違いなし!?
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