ポーランドの京都!中世の面影を残す世界遺産の古都・クラクフを歩こう
|「ポーランドの京都」とも称される古都クラクフ。11世紀半ばから1596年にワルシャワに遷都されるまで、およそ550年もの長きにわたりポーランド王国の都として繁栄しました。
特に1386年から1572年まで続いたヤギェヴォ王朝時代はボヘミア(現チェコ)のプラハやオーストリアのウイーンと並ぶ文化の中心地としてその名をとどろかせていました。
中世の面影を色濃く残す旧市街は「クラクフ歴史地区」として世界遺産に登録されています。首都のワルシャワをはじめポーランドの都市の多くは第二次世界大戦で壊滅的な打撃を受けましたが、クラクフは戦災を免れたため風情ある古い街並みが残っているのです。
そんなポーランドの珠玉の街、クラクフを歩いてみましょう。
クラクフの旧市街への入口にあるのがバルバカンとフロリアンスカ門。かつてクラクフの旧市街はぐるりと城壁に取り囲まれていましたが、19世紀に取り壊され緑地にされてしまいました。
唯一当時の城壁の様子がうかがえるのがこのあたり。旧市街の北門にあたるフロリアンスカ門は1300年ごろに造られたもので、1498年に建設された円形の砦・バルバカンによって守られていました。
フロリアンスカ門をくぐって旧市街に入り真っすぐ進んでいくと、クラクフ旧市街の中心、中央広場にぶつかります。
この広場は4万平方メートルもの面積をもつ大規模なもので、中世からそのまま残っている広場としてはヨーロッパ最大。
中央広場にはポーランドで最も美しいといわれる聖マリア教会や、かつて布製品の交易所だった織物会館など壮麗な建築物が残っています。広場を囲むようにレストランやカフェが並び、夏の観光シーズンともなると深夜まで大勢の人々でにぎわいます。
ライトアップされ、昼間とはまた違うしっとりとした魅力を放つ夜の姿も必見。
中央広場からさらに南に進んでいくと目に入るのがクラクフ観光のハイライト、ヴァヴェル城です。
歴代ポーランド王の居城で、旧王宮やヴァヴエル大聖堂といった複数の建物からなる複合建築物です。その壮大なスケールからはかつての繁栄を肌で感じずにはいられません。
中央広場とヴァヴェル城を結ぶ通りはクラクフのなかでも特に古い街並みが残っている場所。人通りの多い道だけでなくひっそりとした路地にも足を踏み入れてタイムスリップ気分を味わってみましょう。
ヴァヴェル城の南東には「カジミエシュ地区」と呼ばれるユダヤ人街が広がっています。第二次世界大戦によって多くのユダヤ人がこの地区から姿を消してしまいましたが、近年はオシャレなカフェやギャラリーが集まるスポットとしてふたたび注目を集めています。
シナゴークやユダヤ系のレストランやカフェ、ショップなどが立ち並び、旧市街とはまた違ったクラクフの表情が見られる興味深いエリアです。
市内だけでも見どころが多いうえ、近郊の世界遺産、ヴィエリチカ岩塩抗やアウシュビッツ博物館を訪れる起点にもなるクラクフ。ゆっくりと滞在して情緒あふれる街を心ゆくまで味わいたいものです。
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