ドイツの世界遺産第一号!「皇帝の大聖堂」、アーヘン大聖堂が美しすぎる
|「ドイツにある世界遺産の大聖堂」といえば、何を思い浮かべますか?やはりその大きさで知られるケルン大聖堂でしょうか。
ドイツの世界遺産を語るうえで欠かすことのできない存在が他にもあります。それがアーヘン大聖堂。アーヘン大聖堂は、ドイツで最も西に位置する街、アーヘンの代名詞的存在で、ドイツの世界遺産第一号でもあります。
790年ごろから800年ごろにかけて、アーヘンを愛したカール大帝によって建設されたアーヘン大聖堂は、北部ヨーロッパ最古の聖堂。もともとは小さな礼拝堂として建てられ、のちの増築により現在の姿となりました。
特筆すべきは、936年から1531年までのおよそ600年の長きにわたって、30人以上の神聖ローマ帝国皇帝がここで戴冠式を執り行ったこと。さらには、カール大帝の墓所も設けられたことから、アーヘンの大聖堂は「皇帝の大聖堂」とも呼ばれ、大切にされてきました。
アーヘン大聖堂は、ドイツの歴史、いえ、ヨーロッパの歴史において、非常に価値の高い特別な聖堂なのです。
こじんまりとしたアーヘンの街にそびえる大聖堂は、名実ともにアーヘンのシンボル。王国の都が置かれた当時の誇りを今に伝えています。
大聖堂内部は、古典主義やビザンティン様式、ドイツ・ロマネスク様式など、東西ローマ帝国の建築様式が融合した空間となっています。
ヨーロッパの主要な教会はゴシック様式で建てられたものが多いですが、アーヘン大聖堂の初期の部分は、ゴシック様式が確立されるよりもずいぶん前の建造物。そのため、「今までに見てきた教会とずいぶんスタイルが違うなあ」と思われることでしょう。
一般的な教会とはまったく異なる、独自の建築様式が楽しめるのがアーヘン大聖堂の魅力のひとつなのです。
大聖堂内部に足を踏み入れると、天井や壁面を覆うきらびやかなモザイク画に息を呑みます。黄金色に輝くモザイクの豪華さと細やかさに、感嘆のため息をもらさずにはいられません。
中心部に設けられた高さ32メートルの八角形のドームの眺めは圧巻。
中世のキリスト教世界では、「8」は復活を意味する象徴的な数字でした。八角形の天井には、カール大帝の権力を誇示する意味合いや、王国のさらなる繁栄への願いが込められていたのでしょう。
「皇帝の大聖堂」の名にふさわしい壮大さと風格に、ただただ圧倒されるばかりです。
その重要性から、アーヘン大聖堂には多くの巡礼者が訪れるようになり、小さな礼拝堂では手狭になったため、1355年からおよそ60年をかけて「ガラスの家」と呼ばれるゴシック様式の礼拝堂が造られました。
この礼拝堂の見どころは、高さ25メートル、総面積1000平方メートルを超える壮大なステンドグラス。ほの暗い空間のなかでまばゆく輝くステンドグラスは侵し難い神聖さをたたえています。
大きな貴石の数々で飾られた豪華な説教壇も見事。
古代後期から中世にいたるまでの聖遺物をはじめ、ヨーロッパ屈指の教会財宝が保存されている併設の宝物庫も見ごたえ十分です。宗教美術に興味のある人は、ぜひ宝物庫もあわせて訪れてみてください。
ヨーロッパでも屈指の歴史と美しさを誇るアーヘン大聖堂。その姿を目の当たりにすれば、アーヘン大聖堂が歴史的、建築的に特別な大聖堂であり続けてきたことが肌で感じられるはずです。
なお、ケルンとアーヘン間は、鉄道で35分~1時間の距離。ドイツが誇る2つの世界遺産の大聖堂をあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
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