【世界の街角】メルヘンチックなコウノトリの里、フランス・アルザス地方の可愛い村、リボーヴィレ

フランスとドイツの文化が混じりあう、フランス東部に位置するアルザス地方。

アルザス地方の中心都市・ストラスブールや、「ハウルの動く城」のモデルではないかと話題になったコルマールの美しさもさることながら、まるで絵本から飛び出してきたかのようなメルヘンチックな村々は必見です。

そのひとつが、ヴォージュ山脈のふもとに位置するリボーヴィレ。フランス有数のワインの産地として名高いアルザスワイン街道沿いにあって、特級クラスのワインを生産することでも知られています。

リボーヴィレへは、コルマール駅前からバスで30~45分。リボーヴィレの近郊にある美しい村・リクヴィルとあわせて周るのがおすすめです。

アルザスワインのブドウ畑に囲まれたリボーヴィレの村。大通りから、石畳の道が延びる村へ足を踏み入れると、色とりどりの木組みの建物が並ぶメルヘンの世界が広がります。

リボーヴィレのメインストリートが、村を南北に貫く大通り「Grand’Rue」。大通りとはいっても小さな村のこと。アルザスの村らしい、のどかで温かいムードが漂っています。

Grand’Rueでひときわ目を引く建物のひとつが、「Pfifferhuss」あるいは「吟遊詩人の宿」などと呼ばれている立派な木組みの建物。

出窓には、ラテン語で「聖マリア、恵みに満ちた方」という意味の祈祷文が刻まれ、その周囲を精緻な彫刻が取り囲んでいます。

中世の時代、この村では吟遊詩人や楽器演奏者などが手厚く迎え入れられ、年に一度集まって聖母マリアの生誕をともに祝ったのだとか。その伝統を今に伝えているのが、毎年9月に開催される「笛吹の祭り」。中世の衣装をまとった音楽隊が村を練り歩く光景を見ることができます。

村のところどころに笛吹の像や看板があるのはそのため。町歩きの際には注意して見てくださいね。

リボーヴィレは「コウノトリの里」としても知られています。自然環境の変化などにより激減していたコウノトリですが、リボーヴィレ近郊に繁殖センターを設置するなどの保護活動の結果、ふたたびその姿が見られるようになりました。

本物のコウノトリだけでなく、コウノトリをあしらった看板や土産物など、村のいたるところにコウノトリの姿を見ることができます。

リボーヴィレのランドマークが、村の中ほどにある「肉屋の塔」。1290年の建設後、たびたび破壊の危機に見舞われ、1536年に再建されました。

一風変わったこの名前は、当時塔のすぐそばに肉屋の屋台があったことに由来しているそう。29メートルの高さをもつこの立派な塔は、周囲の景観とあいまって、中世のたたずまいをそのままに残しています。

ただ歩くだけでフォトジェニックな風景の数々に出会えるのがリボーヴィレの村。

黄色やピンク、赤といった色とりどりの花々に彩られた木組みの家々、かわいらしい装飾が施された看板、優しく湧き出る泉・・・

こんな景色を眺めながら歩くだけで、心がふっと和み、幸せな気持ちで満たされます。

リボーヴィレはアルザスの村としては比較的規模が大きいため、地元の人が利用するブティックなど生活の匂いが感じられる場所もたくさんあります。観光と日常が同居するリラックスした雰囲気がリボーヴィレの魅力。

名産のワインを堪能したり、近くの古城から村の風景を一望したりと、たくさんの楽しみがあるリボーヴィレ。絵本のような可愛らしい村で、心躍る景色に出会ってみませんか。

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