超多国籍都市ロッテルダムにある、世界に誇るオランダ建築の最新代表作の1つ、巨大マーケットに行ってみよう!

約176か国の国籍者が住んでいると言われる、オランダの超多国籍都市のロッテルダム。

このロッテルダムに、1つの屋根の下に、多様な食文化を提供する巨大なマーケット、住居スペース(228部屋)、約2000台を収容する地下駐車場の入った巨大複合施設が2014年に誕生しました。それが、「マーケットホール(Markethal)」です。現時点、年間450~700万人のお客さんが来場することが見込まれています。

1階にあるマーケットホール部分を囲う屋根の部分は、色彩鮮やかなイメージで覆われるようなデザインとなっています。外からホールに差し込む自然の光と相まって、とても明るい雰囲気を作り出しています。


そしてこの巨大屋内マーケットの中には、約100軒の生鮮食品、一般食品、花屋さんなどの屋台、10軒のショップ、8軒のレストラン・カフェ・バー、そして地下には大手スーパーマーケットやチェーン店が入っています。

ここで購入できる食材は、多国籍者が共存するロッテルダムならではと言える品揃えです。チーズ、肉魚、野菜、オランダ流スナックやお惣菜などのオランダ製食品のみならず、オリーブ、ドライフルーツ、アジア食品など、欧州、中東、アジアなど世界の様々な国からの食材が店頭に並んでいます。

こうした食材の豊富さに加え、それぞれのお店に並ぶ商品は、色彩鮮やかで、センスの良い見栄えのものも多く、洗練されたディスプレイになっています。マーケット内を見て回るだけでも、とても楽しく、幾つもの国を旅行している気分になります。



またもう1つの特徴が、レストランやカフェ・バーです。実は、多くのレストラン・カフェバーが屋台の上にあり、中二階のような位置付けです。食事をしたり、お茶で一息をつきながら、マーケットを見まわし、その活気を楽しむことができます。

このマーケットホールをデザインしたのは、1993年にロッテルダムで創立されて以来、世界中にオフィス、商業施設、アパートメントなど様々な斬新な建築物を設計してきているMVRDV(建築家集団)です。

ハノーバー万国博覧会(2000年)のオランダパビリオン、アムステルダムのハーバー沿いにあるカラフルなコンプレックスなど、様々な建築作品を手掛けてきており、ここ最近は毎年のように、世界で様々な建築賞を受賞しています。

今回のこのロッテルダムのマーケットホールは、もともとは、マーケットホールのビルとアパートメントの建物が隣り合う想定でデザイン依頼を受けた案件だったとのこと。これに対し、MVRDVが1つのビルの中に屋内マーケットと住居を組み入れるという全く新しいアイディアを逆提案したそうです。

ここ暫くMRVDRが都市建築において目指している姿は、地下を含めて利用可能な土地をあらゆる方法で活用し、可能な限りの機能を効果的に組み合わせつつ、人々が集えるスペースをも持たせるというもの。このマーケットホールは、まさにMRVDRの理想を実現した建物の1つとなったのです。

この結果、世界建築ニュースが選出する2014年複合建築賞、MIPIM(国際不動産投資・都市開発マーケット会議)が選出する「2015年Best Shopping Centre」賞、オランダの「2015年Dutch National Building Award」など、世界中から様々な賞を受賞しています。

多国籍なマーケット巡りの楽しさを満喫したり、楽しく食事をできる「場」であるばかりでなく、世界で注目を浴びるオランダ建築の最新代表作の1つでもある「マーケットホール」。

ぜひオランダを旅行する機会がある際には、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

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