昭和にタイムスリップしたような空間で至福のひとときを。季節の生ジュースとくるみパンの店「カド」


隅田川のほとり、東京スカイツリーのお膝元に広がる下町の情緒を残す街並、その町の名前は向島。

隅田川を挟んで浅草の対岸に位置する向島は江戸時代から風光明媚(ふうこうめいび)の地として栄えてきた。

また幸田露伴ら著名な作家の旧居跡があるほか、永井荷風の「すみだ川」にも登場するなど、古くから文豪に親しまれてきた街でもある。

明治期に料理屋が置かれ花街としても栄えた向島は、今でこそ、その栄華ほどの賑わいはないものの、かつての風情を感じる事ができる、数少ない下町を代表する場所の1つであり、多くの人々を今でも魅了している。

そんな向島で、料亭へ行くお客さんの待ち合わせ場所として、当時もっともハイカラとされた喫茶店がある。それが今回はご紹介するお店、喫茶店「カド」だ。

・昭和の雰囲気ただよう店内
お店に入ると、中世ヨーロッパを彷彿とさせる華々しい絵画や内装に誰もが目を奪われる。このゴージャスな内装は「小説の神様」と呼ばれた志賀直哉の弟である志賀直三が設計したもの。このお店の創業1958年といえば、あのミスター長島茂雄が4打席4三振の衝撃デビューを飾り、東京タワーが完成したという、日本が最も勢いをつけて邁進していく時代。ロンドン帰りの志賀直三が設計したこのお店は、おそらく1958年創業当時としては非常にモダンであったに違いない。

・しぼりたて生ジュース
こちらのお店の看板商品はなんといっても生ジュース。季節のフルーツを使ったジュースは、注文を受けてから具材をカットして、一杯一杯ミキサーで作るというこだわりよう。中でも、このお店の名物となっているジュースが「活性生ジュース」である。蜂蜜・アロエ・セロリ・パセリ・グリーンアスパラ・レモン・リンゴを絶妙なバランスでミックスさせた一杯で、飲みやすいのに身体に良いというスーパードリンクである。セロリやパセリが嫌いな方でもサッパリとごくごく飲める、そんなさわやかなこのドリンクは、文字通り体に「活性」をもたらしてくれる、体に優しい栄養ドリンクとも言える。

・自家製くるみパン
また一緒に食べたいのがこちらのお店のくるみパンだ。こちらのお店の自家製くるみパンは、一般的な小麦粉のパンに比べ栄養価も高いと言われる全粒粉を使用している。店内では、その自家製くるみパンを使用したサンドイッチも提供しており、ジュースと一緒にオーダーしておきたい一品である。一番人気は、くるみブルーベリーパンのなすモッツァレラサンド。ほんのり甘いくるみブルーベリーパンとイタリアンテイストのなすとモッツァレラチーズの組み合わせが最高なのだ。こちらの全粒粉パンはしっかりとした食感で、なかなか食べ応えもあるので、ジュースと一緒に食べると大きな満足感を味わうことができる。

東京スカイツリーの完成で開発の進む墨田区にあって、古き良き昭和の時代の面影を守り続ける店がカド。

もし向島を散策する事があれば、こちらのお店に足を運んでみてはいかがだろうか?

どんなに時代が変化しても、東京タワーが完成した時代に戻ることができる、そんなタイムマシンのような喫茶店に、心も体も文字通り「活性」していくに違いない。

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お店   季節の生ジュースとくるみパンの店 カド
住所   東京都墨田区向島2-9-9
営業時間 11:00~22:00
定休日  月曜日








この記事のお店・スポットの情報

お店・スポット名 : 季節の生ジュースとくるみパンの店 カド

住所 : 東京都墨田区向島2-9-9