ポルトガル世界遺産の街エヴォラには、無数の骨で飾られた人骨堂があった!

ポルトガルのアレンテージョ地方の古都、エヴォラ。「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されている城壁に囲まれた旧市街には、博物館さながらに歴史的建造物が並んでいます。

そんなエヴォラで注目のスポットが、サン・フランシスコ教会に付属している人骨堂。

エヴォラの王道観光スポットといえば、カテドラルやディアナ神殿ですが、サン・フランシスコ教会の人骨堂はまさに、裏の人気観光スポットといえます。特にポルトガル国内ではエヴォラの人骨堂は有名で、怖いもの見たさからか、連日多くの人が詰めかけます。

サン・フランシスコ教会は、エヴォラ観光の中心地であるカテドラルからやや離れた城壁内に位置しています。

16世紀に建てられた祭壇装飾が美しい教会で、ヨーロッパの教会としては特段変わったところはありません。

観光客がこぞって目指すのが、教会に付属する人骨堂。17世紀に建てられた人骨堂の入口には、「私たち骨は、あなたの(骨)を待っています」と刻まれています。

それはつまり、「人間はいつか必ず死を迎える」という自然の摂理を表していて、「自分がいつか死ぬことを忘れるな」というキリスト教の教えからきているのだとか。

天井を彩るのは、聖書に登場するシンボルや寓話をモチーフに1810年に描かれた天井画。さらに奧には黄金色の祭壇が置かれています。

一見普通の教会のように美しく飾られていながら、壁を覆い尽くすのは骨、骨、骨…ほとんど隙間もないほどにびっしりと人骨が並べられています。

この人骨堂は、修道士たちが瞑想する場として造られたもので、5000体もの人骨が埋め尽くす空間は圧巻。16世紀にヨーロッパで大流行したペストや、戦争などで亡くなった人々の骨が使われているのだとか。

エレガントな空間と無数の人骨というギャップが、奇妙な雰囲気を生んでいます。人骨をさらして装飾にするなど、日本ではなかなか考えられないことですね。

人骨とアズレージョ(ポルトガル伝統の装飾タイル)のコラボレーションは、ポルトガルでしか見られない光景でしょう。

怖ろしいような、アーティスティックなような…独特の空間がインパクト抜群です。

単に好奇の目で見るだけでなく、これらの骨の持ち主一人ひとりに、それぞれの人生があったと思うと、人間とは、そして生と死とは不思議なものだという思いに駆られます。

エヴォラの人骨堂を訪れるときには、単なる怖いもの・珍しいもの見たさだけではなく、自らの限りある命を改めて見つめ直してみるといいのかもしれません。

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