中世のまま時間が止まったような村、南仏コートダジュールのトゥレット・シュル・ルー

紺碧の海岸線が続く南フランスのコート・ダジュール地方。ビーチリゾートのイメージが強い地方ですが、コート・ダジュールの楽しみは海だけではありません。コート・ダジュールでぜひ訪れたいのが、中世の面影を残す可愛らしい村々。

そのひとつが、岩山の頂にひっそりとたたずむトゥレット・シュル・ルー。コート・ダジュール地方に100以上残るといわれる、中世の時代に外敵から守るため山頂に築かれた「鷲の巣村」のひとつです。

外から見る村の姿は、まるで要塞。村の周囲は深い谷に囲まれています。

「現代にこんな場所があるなんて…」と、どこか異次元の世界に迷いこんだかのような気分にさせられます。

村を守っていた石造りの門をくぐり旧市街に入った瞬間、中世のまま時間が止まってしまったかのような光景にはっとします。

よく手入れされた石造りの家々、村のいたるところに飾られた花々…この村の風景は素朴でありながら、とても上品。

外国人観光客にはあまり知られていないトゥレット・シュル・ルーは、有名観光地に比べて驚くほど静かで、のんびりとした空気が流れています。

この静けさと中世からほとんど手つかずの景観が、中世時代にタイムスリップしたかのような特別な感覚をもたらしてくれるのです。

スミレの栽培が盛んだったトゥレット・シュル・ルーは、スミレの村として有名。1880年ごろからスミレの栽培が主要産業となり、ここで育ったスミレの多くは、香水の都グラーツでエッセンシャルオイルの原料となりました。

今ではスミレの栽培農家の数はすっかり減ってしまったものの、11月から3月の花の時期には、村全体がスミレの香りに包まれます。

村を歩いていると、スミレのアイスクリームを発見!さすが、「スミレの村」トゥレット・シュル・ルーですね。上品な甘さとほろ苦さが絶妙な、これまでにない優雅な味わいです。

ほかにも、村のショップではスミレのキャンディーやスミレのお茶、スミレのリキュールなど、スミレを使った珍しいお土産が手に入りますよ。

工芸家が多く暮らす村としても知られており、村の「メインストリート」である「Grand’ Rue(大通りの意味)」には、織物や陶器、革製品、木工品、ジュエリーなどの工房兼ショップが並んでいます。

「大通り」とはいっても、短く細い素朴な石畳の道。観光地でありながらも、人々の暮らしの場にお邪魔しているかのような日常の雰囲気が感じられます。

トゥレット・シュル・ルーの村を歩けば、数百年もの間ほとんど変わっていないであろう風景に魅了されると同時に、「これからも変わらないでいてほしい」と願わずにはいられません。

中世の村、トゥレット・シュル・ルーには、ここでしか見られない、ずっと大切にし続けたい風景があるのです。
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