【日本居酒屋紀行】千葉県・津田沼駅前に佇むカウンター9席だけの小さなモツ焼き屋「坊ちゃん」
|どんな居酒屋にもそのお店に通う人々の思いが重なり、そしてそのたくさんの思いは居酒屋の持つ雰囲気となるのだ。
それゆえ、日本各地に多く人々を虜にする居酒屋がキラ星のごとく存在している。
例えば、あの吉田類も絶賛する大衆酒場、東京・江東区南砂町の「山城屋酒場」に、沖縄・石垣島で旬の魚介と沖縄料理を味あわせてくれる名店「居酒屋 錦(にしき)」、新潟の郷土料理からラーメンや洋食まで味わえる新潟市・古町の老舗居酒屋「喜ぐち(きぐち)」、北海道は小樽の絶品のおでんと日本酒を楽しめるお店「酒処 ふじりん」に、北海道随一の日本酒の品揃えと美味しいツマミのお店札幌市北区「味百仙(あじひゃくせん)」、食い倒れの町大阪では、魅惑の豚足を味わえる「かどや」に、鴨の焼き鳥が味わえる「とり平」、そしてあの開高健も愛したクジラのおでんが楽しめるたこ梅、さらには名古屋にいったら絶対に行っておきたい居酒屋「歓酒亭 大安(かんしゅてい だいやす)」などなど、数え上げればキリがない。
そんな日本中にある美味しい居酒屋の中から、今回は、千葉県・津田沼駅前にあるモツ焼き屋「坊ちゃん」ご紹介したい。
・開店と同時にいっぱいになる津田沼駅徒歩1分の人気店、それが「坊ちゃん」
北総内陸部と江戸内湾の物資の集散地として江戸時代から栄えてきた津田沼。
その後、習志野原にある陸軍施設との結びつきが強くなり津田沼駅は習志野原への玄関となったため、非常に栄える場所となった。
そんな習志野市の歴史の一翼を担ってきた津田沼駅前にあるのが、もつ焼き「坊ちゃん」だ。
お店の前には、提供される主なメニューと料金が表示されており、良心的なお店である事がわかる。
ただ、お店にはカウンター席が9席しかないため、午後4時の開店とほぼ同時にお店は満員となってしまう。
・美味しくてコスパ抜群のドリンク
カウンター席しかない、1人呑みにもってこいのお店「坊ちゃん」では美味しいドリンクメニューが低価格で提供される。
300円台から揃うドリンクはそのどれもが美味しくて、キンキンに冷やしたグラスで提供される。
もちろん美味しい地酒も用意されており、最高のツマミと一緒に味わう事が出来るため、吞ん兵衛にはもってこいのお店なのだ。
美味しい厳選地酒は700円と、このお店では少々値の張るものになっているのだが、その味わいは格別。
この日は新潟の名酒、鬼山間が提供されていたが、キリっと冷えた芳醇で辛口なお酒は、こちらのお店のどんなツマミにも合うのだ。
・最高の焼き物の数々
もちろん飲み物だけではない。
こちらのお店の焼き物はその全てが秀逸であり、新鮮なモツや美味しい焼き鳥、そしてジューシーな牛の串焼きに至るまで、その素材のウマミをたっぷりと引き出している。
例えば、ネギマはプリっとした鶏肉のウマミとネギの甘みがしっかりと引き出されているし、カシラはねっとりとしたウマミを口の中一杯に感じる事が出来る。
シコシコとした歯触りがたまらないナンコツに
ジューシーなウマミが溢れだす牛肉の串焼き、などなど、
それぞれの素材が、しっかりとした焼き方で仕上げられており、噛み締めるたびに広がる素材のウマミを美味しいお酒で流す、まさに至福のひとときを味わえるのだ。
そんな塩でオーダーする串焼きにトッピングとして使いたいのが、こちらのお店の特製の辛味噌。
ゴマ等の香辛料がブレンドされた特製の辛味噌はそれだけでも酒のツマミになるほどの逸品。
それらをお好みで、美味しい串焼き達にトッピングして味わう、まさに1度で2度美味しい串焼きを楽しめるのもこちらのお店の魅力に違いない。
塩のメニューを存分に味わったのなら、次はこちらのお店のタレのメニューも味わってもらいたい。
タレのメニューの中で是非オーダーしてもらいたいのが、てっぽう(直腸)。
外はカリっと香ばしく、中はジューシーでトロっとした食感がたまらない、ウマミたっぷりのモツ焼きはキリっと冷えた日本酒がよく合う。
また、このお店の特製のタレはサラッとしているためか、何本でも食べられると言っても過言ではないほどの味わい。
そして、角の立った新鮮なレバーは、タレとの相性バツグン。
サクサクとした歯ごたえも感じられるほどの新鮮なレバーはタレでも塩でも、そのウマミを堪能できる。
そしてタレのメニューの決定版と言えば、親子つくね。
たっぷりと卵黄を絡ませて味わえば、妖艶なウマミが口の中一杯に溢れ出す。
普段何気なく通り過ぎる車窓に映る街並みも、その町の駅に降りてしまえば、自分自身も街並みそのものになるのだ。
そんな街並みに溶け込んで、その町に愛される居酒屋の暖簾をくぐってみる、そんな酒飲みの旅も良いかもしれない。
寒い季節だからこそ、カウンター9席で醸される雰囲気に、心の芯まで暖かくなれる、そんな1人旅でしか出会えないお店にであったのなら、きっとまた寒い冬に旅に出かけたくなるに違いないのだ。
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お店 もつ焼坊っちゃん
住所 千葉県習志野市津田沼1-2-14
営業時間 月~土 16:00~23:00 / 祝日 16:00~22:30
定休日 日曜日
公式HP https://bochan-tudanuma.owst.jp/