うどんとトムヤムクンが禁断のコラボ!?タイの丸亀製麺のご当地メニュー「シーフードトムヤムうどん」を食べてみた
|安近短で、日本人にとって身近な旅先タイ・バンコク。
近年、バンコクでは日本食が花ざかり。日本を訪れるタイ人が増えていることもあって、従来の「なんちゃって日本食」ではなく、本物の日本食を求めるタイ人が増えており、日本の外食チェーンの進出も加速しています。
そんななか、タイでどんどん店舗を増やしているのが、讃岐うどんの「丸亀製麺」。丸亀製麺がタイに進出したのは2012年のこと。以来順調に店舗を増やし、いまやタイ国内に28店舗を展開するまでになっています。
タイにおける丸亀製麺の人気の理由は、本格的な日本のうどんが楽しめるお店ながら、日本食レストランとしては価格が手ごろなこと。さらに、タイ人の好みに合わせた多彩なメニュー展開にあります。
日本の丸亀製麺よりも、むしろタイの丸亀製麺のほうがメニューの種類が多いくらいで、タイだけで味わえる「丸亀の味」もあるのです。
そこで筆者は、タイの丸亀製麺で特に人気だというご当地メニューを食べてみることにしました。
まずお邪魔したのは、「丸亀製麺 センチュリーザムービープラザ店」。
BTSビクトリー・モニュメント(戦勝記念塔)駅近くのショッピングセンター内にある店舗で、目の前の通路に洋服などが並んでいるのが非常にタイらしい風景です。
一見小さな店舗かと思いきや、奥はとても広々としていて、まるでおしゃれカフェのような洗練された雰囲気。「日本でこんなにおしゃれな丸亀製麺は見たことがない」といっても過言ではありません。
席の配置にもゆとりがあり、短時間で食事を済ませたらすぐ店を出るというよりも、ゆっくりと食事を楽しみたくなる環境です。
店内には、食事を終えた後、パソコンを挟んで打ち合わせをしている女性2人組の姿もありました。それは日本の丸亀製麺では見たことがない光景。どうやら、タイにおける丸亀製麺は、日本における丸亀製麺と少々位置づけが違うようです。
タイの丸亀製麺のメニュー価格は、もっともシンプルな釜揚げうどんで79バーツ(約270)円。タイの物価を考えると特別安いとはいえない金額です。
屋台や安食堂なら35バーツ前後で麺料理が食べられることを考えると、タイにおける丸亀製麺は高級とはいえないまでも、現地の安食堂と比べるとワンランク上のお店といえるでしょう。
日本の丸亀製麺では、うどんを調理するスタッフに直接食べたいものを注文しますが、タイではカウンター前で待機しているスタッフに注文する方式をとっている模様。カウンターで注文と会計を済ませると番号札をくれ、料理が出来上がり次第席まで持ってきてくれます。
店内にはタイ人向けに、どんな種類のうどんにどんな薬味が合うのかを紹介するポスターがありました。
テーブルの上にはだし醤油や酢に加え、チリパウダーも。
ここでいただいたのはタイの丸亀製麺のベストセラーのひとつ、「オム焼きうどん」(139バーツ)。
日本で丸亀製麺に行ったことがある人は「焼きうどんなんてあったっけ?」と思うかもしれません。そう、このオム焼きうどんは日本の丸亀製麺にはないメニューなのです。
薄焼き卵にお箸を入れてみると、ソースが絡んだうどんと、豚肉やキャベツ、にんじんなどの具がお目見え。「海外の日本食」にありがちな怪しさがなく、普通においしそうです。
日本人から見るとちょっと気になるのは、卵の上にかかっているソースが赤いことでしょうか。
実際に食べてみると・・・薄すぎず濃すぎないほどよい味付けで、うどんにも適度なコシがあってなかなかのお味。
「絶品」とはいえないまでも、日本人でもがっかりすることのないレベルに達しています。ただし、卵の上にかかっている赤いソースが少々甘く、パンチのきいた甘辛ソースの焼きうどんに慣れている日本人にとってはやや物足りないかもしれません。
しかしこれはまだ序の口。タイの丸亀製麺には、タイでしか考えられないようなご当地うどんメニューがあります。
その名も「シーフードトムヤムうどん」。こちらもタイの丸亀製麺のベストセラーメニューです。
これを食べずには帰れないということで、続いて「丸亀製麺 サイアムスクエアワン店」にやってきました。
バンコクの渋谷とも原宿とも呼ばれるサイアムだけあって、丸亀製麺にも若者の姿が目立ちます。お店の前には巨大な釜揚げうどんのオブジェがあって、インパクト抜群。
いよいよタイらしさ全開のシーフードトムヤムうどん(139バーツ)にお目にかかります。
スープは赤く、見るからにトムヤムクン。匂いもハーブのきいたトムヤムクン独特の香りがします。スープを口に運んでみると・・・トムヤムクンならではの酸っぱさが際立ちますが辛くはありません。
具はエビやいか、ゆで卵などなかなか贅沢。トムヤムクンそのものは、日本人のあいだでは好みが分かれるところですが、トムヤムクンが好きな人ならきっとおいしく食べられるはずです。
ただし、このシーフードトムヤムうどんは、もはや「日本食」という感じはしません。
麺は日本のうどんとほぼ変わりはありませんが、これだけスープに独自色があると、日本のうどんとは別物の「新しいタイ料理」のような気がします。
それはちょうど、日本人がパスタを醤油や明太子などで味付けし、日本式のパスタを生み出しているのと似ているかもしれません。
タイの丸亀製麺ならではの、シーフードトムヤムうどん。トムヤムクンが好きな人や、日本の「UDON」がタイでどのような進化を遂げているのか見てみたい人は、一度食べてみて損はない一品です。
ほかにも、タイの丸亀製麺にはカツカレーやフライドチキン丼、スパイシー豚骨うどんなど、日本の丸亀製麺にはないメニューがたくさんあります。タイの丸亀製麺独自のメニューを制覇しようと思うと、意外に長い闘いになるかもしれません。
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