世界遺産ワルシャワ歴史地区のハイライト、旧王宮に行ってみよう

世界遺産にも登録されているポーランドの首都ワルシャワ観光の目玉のひとつが旧王宮。王宮広場に堂々と立つ鮮やかなオレンジ色の外壁が印象的です。 王宮広場の中心には1596年に古都クラクフからワルシャワに遷都した王、ジグムント3世の記念碑がそびえ立っています。 旧王宮はその名の通り、かつて王の住居であっただけでなく、国会、大統領執務室、士官学校や国立劇場が置かれるなど、かつてのポーランドの政治・文化の中心地でした。ジグムント3世の時代には「ヨーロッパで最も美しい宮殿のひとつ」と言われていたのだとか。

旧王宮の歴史は塔が建設された14世紀にさかのぼります。その後ジグムント3世の時代に大規模な拡張と改修が行われ、5つのウイングと中庭をもつ壮大な建造物となりました。 第二次世界大戦で壊滅状態となったワルシャワの街。この旧王宮も決して例外ではありませんでした。 ワルシャワ蜂起の失敗の後の1944年9月、旧王宮はドイツ軍の爆撃によって破壊されましたが、最も価値の高い調度品は美術史家、復元専門家などの手で国外に持ち出され難を逃れました。 戦後、共産主義政権のもとで旧王宮の再建はいっこうに決まりませんでしたが、1971年ついに旧王宮の再建が決定しました。その後1984年に復元された内装が一般に公開され、2009年にやっと王宮全体の復元作業が完了したのです。 18世紀の文書やスケッチ、19世紀の写真などを参考に復元が行われ、戦災を逃れた調度品は元あった場所に戻されました。

ここ評議会室に置かれているアウグストの王座は1795年につくられたものです。18世紀末のポーランド・リトアニア共和国の最後の国王、スタニスワフ・アウグストの時代、この部屋はポーランドで初めての正式な政府の議場として使用されました。 この旧王宮でもっとも大きく豪華な部屋が宴会場。アウグスト王の時代、この部屋で王室行事や国家の祝宴、コンサートといったさまざまなイベントが催されました。 壮大な天井画、まばゆいばかりのきらめきを放つシャンデリア…その豪華さに当時の繁栄ぶりがうかがえます。

この宴会場と同じくらいに印象的なのが大理石の間。 アウグスト王のほかに22人のポーランド王の肖像が飾られており、天井画は果てることのない栄光を表しています。黒の大理石を基調とした重厚な部屋は、王の威厳を象徴するのにふさわしい空間といえるでしょう。

赤とゴールドの配色が色鮮やかな部屋は、アウグスト王が外国の賓客など最も大切な客人を招き入れた王座の間。 王座を含め、この部屋の家具や装飾の多くに当時のオリジナル品が用いられており、王の権力を示す堂々たるただずまいが感じられます。

美しい調度品の数々で華やかに彩られているのは王のベッドルーム。王のプライベートな居室部分にあたり、1772年から1775年にかけてつくられました。ドアの上に架かっている絵画は当時のオリジナルです。   王宮の礼拝堂では、王と廷臣が日課の儀式を執り行っていました。この礼拝堂はもともと1770年代につくられたもので、戦後オリジナルの資材を中心に復元されました。

こうしてさまざまな部屋を目にすると当時の王たちの生活ぶりが垣間見えてくるような気がします。このほかにも次々と現れる変化に富んだ空間の数々は見ていてまったく飽きることがありません。

破壊するのも人間なら、創造するのもまた人間。戦災で瓦礫と化しつつもいま再び美しい姿を見せてくれるワルシャワの旧王宮は人類に対する戒めであり、同時に希望の象徴でもあるのではないでしょうか。

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