ルーマニアにあるドラキュラ伯爵の生家「カサ・ヴラド・ドラクル」に行ってみた
|「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとなった、ヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)は実在の人物。彼は、1431年、ワラキア公であったヴラド・ドラクル(ヴラド2世)の次男として生まれました。
「ドラキュラ」はニックネームのようなもので、父が「ドラクル(竜公)」と呼ばれていたため、彼は「竜の子」を意味する「ドラキュラ」と呼ばれるようになったのです。
「ドラキュラ伯爵」、ヴラド・ツェペシュの生家があるのが、ルーマニアのトランシルヴァニア地方に位置する小さな町、シギショアラ。中世の面影を色濃く残すシギショアラの旧市街は、世界遺産に登録されています。
ヴラド・ツェペシュの生家は、世界遺産の町の中心地、時計塔のある広場に面して建っています。
「吸血鬼ドラキュラ」の恐ろしいイメージに反して、可愛らしいパステルイエローの建物。現在は、レストラン「カサ・ヴラド・ドラクル(ヴラド・ドラクルの家)」として営業しています。
「竜」の意味をもつ父の名を示すように、看板には竜をあしらったデザインが。
階段を上って2階に上がると、ヴラド・ツェペシュの肖像やシギショアラの旧市街が描かれた壁画、クラシカルな調度品が別世界の雰囲気を醸し出しています。
入口に「BARDEZI」と書かれた部屋がレストラン。
円形の天井、赤く塗られた壁と天井が印象的で、中世のムード満点。ドラキュラの頭などの独特のインテリアが、さらに非日常の気分を盛り上げます。
シギショアラやヴラド・ツェペシュにちなんだグッズも販売中。
食事メニューは伝統的なルーマニア料理が中心。アルコールを含め、ドリンクの種類も豊富で、バーとしても利用できます。今回は、スタッフおすすめの伝統料理、ロールキャベツを注文しました。
予想以上に美しい盛り付けでロールキャベツが登場。
日本でも食べられているロールキャベツですが、ルーマニアのロールキャベツは日本のロールキャベツとはひと味もふた味も違います。
ルーマニアのロールキャベツは小ぶりのサイズで、味つけは濃いめで酸味が強いのが特徴。しかし、横に添えられているサワークリームを付けて食べると、クリームのまろやかさがロールキャベツの酸味を中和し、優しい味わいに変わります。
ルーマニアではさまざまな料理のお供として親しまれているサワークリーム。ロールキャベツもサワークリームを付けて食べる前提の味付けになっていて、ルーマニアならではの食文化が感じられます。
付け合わせの丸い形をした物体にも注目。一見マッシュポテトのように見えますが、これはルーマニアの伝統的な副菜「ママリガ」。トウモロコシの粉に牛乳とバターを練りこんで蒸したもので、ルーマニア料理の付け合わせの定番です。
さて、食事の後にはドラキュラにちなんだデザートはいかがでしょうか。いただいたのは、その名も「ドラキュラ」と名の付いたクレープ。
ベリーやさくらんぼといった赤いフルーツで作ったソースは、「吸血鬼ドラキュラ」の好物である血をイメージしています。甘酸っぱいソースが決め手のクレープは、意外とあっさりしていて、食後でもぺろりと食べられてしまいます。
「ドラキュラ伯爵」が生まれた家で食事をしているというのはなんだか不思議な気分。もちろん「吸血鬼ドラキュラ」はあくまでもフィクションであり、ヴラド・ツェペシュは血を吸ったりはしませんでしたが・・・
シギショアラを訪れた際には、「カサ・ヴラド・ドラクル」でドラキュラ物語の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
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「カサ・ヴラド・ドラクル(Casa Vlad Dracul)」
住所:Str. Cositorarilor nr. 5, Sighisoara
電話:004 0265 771596
営業時間:夏期 10:00~22:00、冬期 12:00~21:00
http://www.casavladdracul.ro/