教会の中でシャガールのステンドグラスが作り出す幻想的な青の世界に酔いしれる!

ラインラント・プファルツ州の州都マインツ。中世から宗教都市として栄えたこの街には今でも多くの教会が残っています。

その中の1つ、聖シュテファン教会ではとても幻想的な光景を目にすることが出来るのをご存知でしたか?

それがフランスの画家マルク・シャガールが手掛けたステンドグラスによって作り出される「青の世界」です。

教会入り口の階段に設置されている手すりには、この様に可愛らしく花があしらわれています。小さな心遣いから、この場所が地元の人に愛されているのだという事が伝わってきますね。

扉の手をかける部分は魚の形という遊び心も。

教会の中は青いステンドグラスが光を通すことによって、中全体がまるで海の中にいるかのように青く染まっています。教会内に足を踏み入れる人はみな、そのあまりの美しさに感嘆のため息をつかずにはいられません。

シャガールが手掛けたステンドグラスはヨーロッパの教会を中心に多数ありますが、聖シュテファン教会に飾られているのは彼が製作した最後のステンドグラスです。1985年に亡くなるまでの間、彼は教会の前方にある9枚のステンドグラスを完成させました。

自身もユダヤ系であった彼は、この作品に「ユダヤとドイツの和解」や「国際間の協調」といった願いを込めながら製作を進めました。

シャガールの死後は、ガラス工房の主任として28年間シャガールと共に働き、彼と深い友人関係にあったチャールズ・マルクが残りの作業を引き継ぎました。教会内にある全てのステンドグラスが完成したのは2000年になってからです。

まるで水の中のような青い空間に身を置けば、その美しさに感動するばかりではなく、ヒーリング効果で心が落ち着くような気がしてきます。

教会の中ではポストカードなども販売されており、ちょっとしたお土産を買うことも出来ます。言わずと知れた人気スポットで観光客や学生の団体も多いですが、教会は本来なら神に祈りをささげる場所です。祈りをささげている人々の迷惑にならないよう、注意をしながら鑑賞する事が大切です。

教会の外には、深い青が印象的な内部とはまた違った、明るい印象の美しい回廊があります。教会の全体像を外から眺めたければ、入り口側よりも回廊からのほうが、木などが邪魔にならずおすすめです。

他ではなかなか見る事の出来ない青い世界。シャガールが無くなる直前に製作した貴重なステンドグラスに囲まれながら、深い水の底にいる様な不思議な感覚を味わってみてはいかがでしょうか?

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